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富士通の新スパコン、世界最高レベルの気象予測精度達成に向けて稼動開始

富士通は、気象庁気象研究所の新スーパーコンピューターシステム(写真)を構築した。理論演算性能は2・81ペタフロップス(ペタは千兆、フロップスは浮動小数点演算能力)と、前システムと比べて約2・2倍の性能を実現した。

受注金額は約4年8カ月換算で16億9000万円程度。世界最高レベルの気象予測精度達成に向けて、2日に稼働した。

構築したシステムは、米インテル製の最新CPU「ジーオン スケーラブル・プロセッサー」を搭載した富士通のパソコンサーバー「プライマジーCX2550 M5」880台によるクラスター構成。CPU数は1760個。

サーバー間は、高速インターコネクト「オムニパス・アーキテクチャー」で並列接続することで、気象予測や地震・津波解析といったシミュレーション用途での高い拡張性を実現した。小規模から大規模まで、多様な用途で高度な計算ができる。

今回のシステムは、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)などのアクセラレーターを用いず、CPUベースで構成した。これにより、幅広いアプリケーション(応用ソフト)を高性能かつ低消費電力での動作を実現した。

CPUの冷却には冷却効率の高い水冷式を採用。冷却ファンを用いた空冷式と比べて、少ない電力消費でサーバーからの発熱を抑えられる。

日刊工業新聞2月6日

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