キヤノンが半導体露光装置を増産へ

今年下期から市場は再び成長期へ、シェア拡大狙う

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キヤノンのKrFスキャナー(同社公式サイトより)

キヤノンは12月までに半導体露光装置の生産能力を現在比20―30%程度引き上げる。半導体市場が拡大期に差し掛かっているとみて能力増強する。新たな生産技術の導入やリードタイムの短縮など生産効率の向上で対応する。半導体露光装置を含む産業機器事業で、2020年12月期に前期比12・3%増の8290億円の売り上げを目指す。

20年下期以降に第5世代通信(5G)やIoT(モノのインターネット)需要などにより半導体市場が成長期に入り、21年にかけて市場が良いムードになると判断。市場の動向を見ながら、半導体露光装置を生産する主力の宇都宮光学機器事業所(宇都宮市)や阿見事業所(茨城県阿見町)で導入する生産技術など具体的な内容を詰める。また、異物混入を防いだ環境下で装置の加工や組み立てをするクリーンルームの増設も視野に入れている。

半導体露光装置は、半導体の回路形成工程で使用される装置。半導体の回路原版に光照射し、縮小投影レンズを通じてウエハーへ投影。補正をしながら、回路をウエハーに転写する。キヤノンは光源に水銀灯を使用するi線露光装置と、フッ化クリプトンを使用するKrF露光装置の計2種を展開。2種の露光装置のほか、さらなる微細化を目指したNIL(ナノインプリント)装置の開発を進めている。

現在展開している2種の装置のうち、i線露光装置が主力。i線露光装置は小型基板向けの新製品を2月に投入しており、車載や5G向けの微細な半導体の露光用途に販売強化している。今後i線露光装置の生産増強が中心になるが、KrF露光装置についてもシェアを拡大したい考え。20年12月期に半導体露光装置全体で前期比1・5倍の134台の販売を見込む。

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日刊工業新聞2020年3月4日

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