腸内細菌の代謝物が糖尿病を抑制、京大が発見

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京都大学の松田文彦教授らは、島津製作所や仏パリ大学、マギル大学などと共同で、腸内細菌の代謝物が糖尿病の抑止効果を持つことを発見した。代謝物の有機化合物「4―クレゾール」により、すい臓で血中のブドウ糖濃度を調節するインスリンを分泌するベータ細胞の増殖や機能の刺激が起こる。腸内細菌の生態系の制御による糖尿病の予防や治療が期待できる。

研究グループは、質量分析により腸内細菌の代謝物の測定と解析を行った。その結果、糖尿病患者は4―クレゾールの血中濃度が低いことが分かった。続いて糖尿病や肥満のラットとマウスを使い、すい臓のベータ細胞の機能と糖尿病の発症に対する4―クレゾールの効果を調べた。4―クレゾールによる刺激で、肝臓の肥満と脂肪蓄積の減少や、インスリンの分泌、ベータ細胞の増殖が得られる。

糖尿病はベータ細胞が減少し、インスリン分泌が少なくなる。ベータ細胞を増殖できれば予防や治療につながる。今後、特定の腸内細菌の増殖を促した後に代謝物を治療効果が得られるまで増やす仕組みの開発を目指す。また、代謝物解析の技術を他の病気にも活用していく。

日刊工業新聞2020年3月3日

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