気象庁が気象レーダー更新、二重偏波で観測どう変わる?

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レーダー棟の全景(気象庁提供)

気象庁は、全国20カ所に設置されている雨や雪などの降水粒子を探知する「気象レーダー」の老朽化に伴い、新型の「二重偏波気象レーダー」に順次更新する。初号機として千葉県柏市にある「東京レーダー」の運用を3月5日に始める。従来よりも観測に必要な時間が2分の1になる。局地的豪雨などの実況監視能力や雨量の予測精度の向上、積乱雲などの盛衰予測などの高精度化の実現を目指す。

全国に20カ所ある気象レーダーのうち、仙台と広島、福岡の3カ所を2021年度中に更新する予定。

気象レーダーの観測データは、1キロメートル格子に降水量や河川の洪水、土砂災害などのさまざまな防災気象情報が作られ、気象災害の未然防止や災害被害の低減につながる。

新型の二重偏波気象レーダーは、水平と垂直の2種類の方向に振動する電波を利用して観測する。それぞれの波の振幅や位相の違いを解析することで雨粒などの形や大きさ、雨の強さを推定できる。地上雨量計の補正がなくても雨の強さを正確に推定できる。局地的大雨や雨量計のない海上から移動する強雨に有効。

また、雨や雪、ひょう、あられなど、どの粒子であるかを調べられる。積乱雲の発達や衰弱過程が把握でき、実況監視能力の向上と予測の高精度化が期待できる。

電波の送信ユニットの一部に問題が生じても運用できる「固体素子型送信機」を導入。従来の電子管型送信機に比べて40分の1の電力で送信できる。システムの安定性や保守性を向上する。

日刊工業新聞2020年2月28日

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気象庁 気象レーダー

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