気象研、竜巻到来10分前に予測する技術開発へ―18年度実用化

雲の変化などを高速で立体的に把握できる新型の気象レーダー活用

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7月に運用を始めたフェーズドアレイレーダー(気象庁)
 気象研究所は、竜巻の到来地域を5―10分前に予測する技術の開発に乗り出した。雲の変化などを高速で立体的に把握できる新型の気象レーダー「フェーズドアレイレーダー」で竜巻を捉え、発生後の動きからその後の進行方向を推定。竜巻の到来の予測によって避難を促す情報を提供し、被害の抑制につなげる考え。2018年度までの完成を目指す。

 竜巻を水平方向に見た場合、その両端では逆方向に強い風が吹いている。気象研究所は、この特有の風の動きを気象レーダーで捉え、竜巻と判断する技術を試作した。

 ただ既存のレーダーで風などの変化を高速で観測する場合、地上と水平方向の平面1面分しか捉えられない。得られる情報が少ないため、レーダーが観測するノイズを竜巻と判断するなど精度に課題があった。

 竜巻は12年5月6日に茨城県つくば市で38人の死傷者を出すなど、発生により深刻な被害をもたらす。

 同研究所は、7月に同市の研究所内で運用を始めたフェーズドアレイレーダーを活用。風の動きの時間変化を高速で観測する場合でも平面1面分だけでなく、垂直方向に平面を積み重ねた立体的な情報が得られる。

 試作した検知技術を利用すると、竜巻特有の垂直方向にうねった形などの把握が期待でき、より正確に判断できる。検知技術の精度向上につながる。

 同研究所はこの方法で竜巻を検知し、発生後の渦の変化や経路などの情報を蓄積。こうした情報を基に、竜巻発生後の進路方向を予測する計算式の構築を目指す。

日刊工業新聞2015年10月19日 科学技術・大学面

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昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

毎年のように竜巻が発生し、被害を出しています。予測された情報をもとに的確な避難指示を出す、情報伝達経路の確率も必要でしょう。

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