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「巡回セールスマン問題」大きく前進?東工大などが高速LSI開発

「巡回セールスマン問題」大きく前進?東工大などが高速LSI開発

組み合わせ最適化問題を高速で解くLSI(東工大提供)

東京工業大学科学技術創成研究院の本村真人教授らは、多くの変数の組み合わせから最適な解を選ぶ「組み合わせ最適化問題」を高速に解く大規模集積回路(LSI)を開発した。同問題の近似的計算技法「アニーリング処理」の一つで、応用範囲が広い「全結合型」の手法を高速化。処理性能を数倍、エネルギー効率を大幅に向上させた。製造や創薬などで重要問題として現れる同問題の計算技術の開発につながる可能性がある。

複数の都市を効率良く回る「巡回セールスマン問題」に代表される組み合わせ最適化問題は、交通や金融、製造、創薬などの重要な問題として現れる。だが変数の数が増えるにつれて、組み合わせが爆発的に増え、従来の計算機では効率的に解けなかった。

北海道大学や東京大学、日立製作所との共同研究。成果は米カリフォルニア州で開催された国際固体素子回路会議(ISSCC)で発表された。

日刊工業新聞2月25日

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