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アサヒグループ食品が優良顧客育成を託す「アマノ食堂」の正体

アサヒグループ食品が優良顧客育成を託す「アマノ食堂」の正体

ウェブマガジン「アマノ食堂」

アサヒグループ食品(東京都渋谷区、尚山勝男社長、03・6303・3250)は、フリーズドライ食品「アマノフーズ」の優良顧客育成を目的に、通信販売サイトとは別にウェブマガジン「アマノ食堂」を展開している。旬の食材や食材の処理・保存方法、料理研究家のコラムなど“食”にまつわるさまざまな情報を紹介。「楽しんでもらいながら、いつの間にかファンになってほしい」(鈴木章子食品事業本部食品マーケティング部担当課長)と狙いを説明する。

アマノフーズはフリーズドライみそ汁で6割を超えるトップシェアを持つ。需要増が続き2019年の売上高は約139億円で過去最高を更新した。通販サイトを通じて定期購入するケースも多い。

一方、「ブランドの認知率は約44%ほどで、もっと高めていきたい」と鈴木課長は課題を指摘する。優良なファンを増やす目的で15年に「アマノ食堂」を開設。認知率を高めながらファンをつくり、通販サイトに誘導する橋渡し役を担う。アマノ食堂は「街の食堂のように、ふらっと足が向いてしまうような場所」という設定。旬の食材のコーナーではキャベツやチーズなどをテーマに話題やレシピ、保存方法などを紹介。道具とレシピでは便利な料理用品や料理研究家らのレシピなども特集する。

同サイトではフリーズドライ食品の紹介をあまりしない。鈴木課長は「食に関するウェブマガジンであり、フリーズドライの広告にならないようにしている」と説明。記事の最後に商品を選んでもらったり、ニュースのコーナーで新商品を紹介する程度という。毎月、各コーナーの情報を更新している。(取材=編集委員・井上雅太郎)

日刊工業新聞2020年2月21日

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