大卒初任給は邦銀トップ級に、あおぞら銀行が人事制度を大幅に見直す狙い
あおぞら銀行は人事制度を大幅改定する。4月から初任給を一律1万円引き上げ。7月には従来の職制を再編成して全国総合職と地域総合職へ統合し、一般職は廃止する。若手を取引先や業務提携先に出向させる“武者修行”制度や、副業を容認して55歳以上のシニア社員に週3―4日の自社勤務を認める枠組みなども順次導入する。デジタル化の進展といった経営環境の変化を踏まえ、優秀な人材を確保しつつ、社員に新たな挑戦を促す。
大卒初任給は邦銀トップ級の24万300円とする。自社の長期的な成長に向け、優秀な新卒の確保につなげる。既存の従業員の待遇と逆転しないよう、入社2年目の社員の給与も引き上げる。
職制の再編では、もともと一般職の中に能力の高い人が多くいた点を考慮。総合職と同様の仕事をしてもらうことを求めて挑戦意欲を引き出し、職場の一体感向上も狙う。7月以降の総合職における比率は全国総合職が半分強、地域総合職は半分弱になる見通し。
副業はこれまで原則禁止で、大学での講義を請け負うといった「個人事業主型」の副業は例外的に認めていた。だが、従来は「一切できないと思っている人が多い」(人事部門幹部)。4月からは個人事業主型を原則として許可することで認知度向上を見込む。
2021年4月以降は、他社の従業員として働く「他社雇用型」の副業も、55歳以上で管理職のポストに就いていないシニア社員を対象に認める方針。自社勤務は週3―4日間とし、それ以外の日は他社で働くことを可能とする。シニア社員が将来のキャリアを考える際、社外にも目を向けてもらう考え。
一方、主に20代後半から30代半ばの若手については、取引先などへ一定期間出向させる武者修行の制度を20年度のできるだけ早い時期に開始。経験領域の拡大につなげる。
日刊工業新聞2月20日