「ごきぶりホイホイ」はやっぱりスゴい!アース製薬、世界販売の力

虫ケア製品の原点に迫る

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ごきぶりホイホイ製造ライン。一部は開発当時のままのシステムが使われている

生態系、正しく理解

虫ケア製品の原点に迫る―。アース製薬が販売するゴキブリ捕獲製品「ごきぶりホイホイ」が、世界的な製品となりつつある。1978年の販売開始以降、日本でシェアを伸ばしてきたが、現在では米国など30以上の国で販売している。また同社は多種多様な害虫を飼育し、研究を進める。時代に合わせて製品の幅を広げ続けている。(門脇花梨)

強力な粘着力

多くの人が知るごきぶりホイホイは、アース製薬の大塚正富特別顧問の発案で誕生した。ゴキブリを紙でできた家に誘い込み、粘着テープで捕獲する。紙の家はそのまま捨てられるため、ゴキブリを見ることなく駆除できる。

当時存在していたゴキブリ捕獲器は、入れるが出られない扉付きのケースにゴキブリを誘い込んで捕獲し、生きたゴキブリを殺してから捨てなければならなかった。この不快な作業をなくすべく、アイデアを出した。

ヒントになったのは、大塚特別顧問の幼少期の体験。トリモチを使いセミを捕っていたことを思い出し、応用した。今では紙の家の入り口に粘着テープにくっつきやすくする足拭きマットを設置する、エサのにおいがする誘引剤を入れるなどの工夫がなされている。テープの粘着力は30キログラムの重りを持ち上げられるほど強力だ。

ゴキブリの生体も利用する。目ではなく触角で障害物を確認するため、足拭きマットに段差をつけた。段差を感知してしっかりと乗り越えさせることで、粘着の障害となる油分やほこりをとる。研究の成果も取り入れられている。

アース製薬は害虫を飼育して、研究している

ヒアリも対象

現在でも製品の一部は発売当時と同じ方法で製造されている。良い部分を残しながら進化し、世界へと羽ばたいている。

また同社は、多種多様な害虫の飼育、研究を続けている。ダニやアリなど、ゴキブリに限らない。日本に存在する害虫を網羅する勢いだ。

技術員の亀井勝成氏は「他の研究機関で必要になった際、提供することもある。時代に合わせて研究対象が増えることもある。デング熱を媒介する蚊を飼育するほか、ヒアリの標本もある」と明かす。

巣を壊滅

害虫の生態系を正しく理解することは、効果的な製品の開発へとつながる。既に虫関連の製品は250アイテム以上を販売中。直近では、毒エサを食べさせてスズメバチの巣を壊滅させる新製品を発売した。

人やモノの移動が活発になった現代、今までいなかった害虫が海外から入ってくる事例が増えている。また、人間の生活環境の変化で害虫が進化する可能性も否定はできない。虫ケア製品の第一人者として、常に一歩先の研究に挑んでいる。

日刊工業新聞2020年2月13日

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