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人手不足の切り札「ゆで釜自動制御システム」、丸亀製麺が全国展開に

ニチワ電機が共同開発、ヒーター出力や湯投入量を制御

ニチワ電機(兵庫県三田市、岡田望社長)は、うどん専門店「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングス(HD)および中部電力と共同で、ゆで釜自動制御システムを開発した。ヒーター出力や差し湯投入量を自動制御し、電力消費量を従来比31・3%、差し湯量を同47・6%削減した。人手不足と省エネルギー対応の切り札として今後、全国の丸亀製麺の店舗に本格展開する。

ゆで釜自動制御システムは、湯を沸かす作業や塩分濃度調整作業など、これまで従業員の経験に委ねられていた作業をデータ化するもの。まずは対象店で1週間分のデータを入力。データは直近1―3カ月の売り上げデータに基づいて15分単位、曜日別で構成しており、これにより、うどん投入量や水量、火力、加熱時間などを決定する。店員が出社した際にスイッチを入れれば湯量や火力などを数値に従って操作、自動運転が始まる仕組み。

丸亀製麺はオフィス街立地と住宅地立地などで、混雑の時間帯が異なる。平日に混むか休日に混むか、昼食時にどれだけ来店が集中するかなどの状況も、立地により差がある。店舗ごとの差を最初にデータ入力することで「実戦で使えるシステムに仕上がった」(ニチワ電機の西耕平専務)。

店舗によっては天候やイベントなどで急に客が増えることも考えられるが、その場合は設定を解除、手動運転に切り替えられる。今後は設定パターンの追加や人工知能(AI)の活用も検討する。

トリドールと共同開発したゆで釜自動制御システム
日刊工業新聞2020年2月3日

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