ユニークな福利厚生が特徴のサタケがはじめた「夏季週休3日」とは

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孫の誕生で「イクじい休暇」を取得した宗貞健執行役員(左)。男性では初の事例となった

精米機トップメーカーのサタケ(広島県東広島市、佐竹利子代表、082・420・0001)は、数々のユニークな福利厚生制度を先駆的に導入してきたことから、働き方改革の代表例と目されるようになった。2017年からは夏季の週休3日制度を試験的に開始。将来の全面導入をにらみつつ、業務効率化を進めている。(広島・清水信彦)

福利厚生制度を充実させてきたサタケの歩み。まずは04年、当時は珍しかった企業内保育園を開設した。いまや保育園運営で全国的な大手企業に育ったアイグラン(広島市中区)にとって、企業内保育園の運営受託の第1号案件となった。

04年に開設した社内保育室「ばんぶー」

05年には男性の育児休暇制度を開始した。ノー残業デーは、10年に週1日から週2日にして以降、順次拡大。14年からは基本的に毎日、残業なしとなった。16年には孫が生まれた時に育児休暇を取れる「イクじい・イクばあ休暇」を設けた。

週休3日制度は、17年に始めてからは業務への影響をなるべく少なくしようと、休む曜日を変えて続けてきた。19年には、会社としては毎日営業を続けながらも社員を2班に分けて交代で休むようにした。この形で20年も実施する予定。

社内結婚の推奨や、新入社員の里帰りに補助金を出す「親孝行手当」などもある。他社に先駆けてユニークな仕組みを取り入れてきたといえる。「まずはやってみて問題があれば変えればいいし、最悪の場合やめてしまえばいい」と宗貞健執行役員広報部長。トップダウンと初動の早さという、オーナー企業ならではの社風が生きたという。

一連の取り組みの背景には「会社を取り巻く全ての人々を幸せにする」という経営方針がある。残業ゼロにしたために収入が減る社員もいることから、副業を認めた。自宅でヨガ教室を運営する社員もいる。「社員が一生会社の仕事だけに縛られるのではなく、社外での活動を肥やしにしながら見識を高めていくのは悪いことではない。制度導入以前から、経営幹部もそういう考え方をしていた」(宗貞執行役員)。課題は、労働時間が減る中でも、会社の業績や従業員の給与を保ち、またどう伸ばしていくかだ。生産性向上と業務効率化が必須になる。

業務改革の一例が、12年に始めた「コンセントレーションタイム」。毎日13時10分から15時15分までを、社員が業務に集中するコンセントレーションタイムとし、その間は一切会議を開かず、他部署への電話もかけない。社外からかかってきた電話には、一般社員は出ずにその部署の上長が対応する。

きっかけは開発部門の社員から、根を詰めて設計作業に没頭している時に、たびたび電話がかかってきては集中力が途切れて効率が上がらない、という苦情があがったことだった。とはいえ、将来の週休3日制の全面導入に向けては「まだまだ手探りの状態で、ハードルは高い」と宗貞執行役員は話す。

日刊工業新聞2020年1月29日

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