ANA HDの上昇エンジンはピーチ?スカイマーク?それともアバター?

片野坂真哉社長インタビュー

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堅調な航空需要(ANA公式フェイスブックページより)

―今年の航空需要をどうみますか。
「堅調が続くとみている。出張利用率の低下は1―2%だが、座席ダウングレードの影響は痛い。地政学リスクは常に起こる“ニューノーマル”だ。(政府目標の)訪日客4000万人達成は諦めていない。東京五輪・パラリンピックは日本ブランドを高める好機。新たに就航する欧州からの訪日客には、国内を周遊して、日本の食や文化に魅力を感じてほしい。東北方面には2020円の五輪記念価格を発表した。東北以外でも訪日客向け周遊運賃を準備中だ」

―情報通信技術(ICT)を活用した瞬間移動手段“アバター”の事業展開は。
「五輪前に1000台稼働を目指す。ビジネスとして形を作る年にしたい。空港でも手話を使える係員が、アバターを通じて手話が必要な利用客との会話に活用できるだろう」

―出資するスカイマークが株式公開(IPO)を準備中です。
「スカイマークは業績も改善し、高い利用率と定時性を誇る立派な会社になった。再建には人材も派遣して役に立ったと自負している。出資会社で唯一、コードシェア(共同運航)を実現していない。航空需要が堅調な中では(ANAを)頼らなくても大丈夫だったが、航空は突然、不況が来る。いつでもコードシェアが必要ならば用意がある。IPO後も出資会社として良い関係を維持する」

―格安航空会社(LCC)ピーチの今年は。
「昨年は統合に伴う機材改修などの準備で(成長は)踊り場だった。今年はいよいよ中距離路線でアジアに進出する。ピーチには国内やアジアの大きな空港からも誘致の声がかかる。自由な発想で新しいリゾートを日本に紹介してほしい」

―統合型移動サービス(MaaS)に積極的に取り組む意義は。

「MaaSは航空が参加するとエリアが広がる。1次・2次交通の鉄道とタイアップするのは大きい。従来以上に機内で鉄道運行情報を提供する。鉄道を含めた予約・ペイメントの一貫性が必要だ」

【記者の目】
2020年は航空業界にとって文字通り“飛躍の年”となりそうだ。3月の羽田空港国際線発着枠拡大は、そのハイライト。空港設備や人材育成など各社が入念に準備を進めてきたものが花開く。一方で訪日観光需要の盛り上げは、競合する日本航空(JAL)や中堅航空会社、LCCら業界全体で力を合わせて取り組むテーマだ。

(小林広幸)
「(スカイマーク)とコードシェアが必要ならば用意がある」と片野坂社長

日刊工業新聞2020年1月24日

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