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産学連携の民間資金受け入れが初めて1000億円を超えた

文部科学省は2018年度の大学などにおける産学連携調査をまとめた。民間企業からの研究資金などの受け入れは、約1075億円と前年度比12・0%増。調査開始の03年度以降、初めて1000億円を超えた。

このうち6割超を占める共同研究費が、伸びをリードしている。また、特許など知的財産収入が約59億円で同38・6%増、大学発ベンチャーの設立数が185社で同21・7%増と、全体的に好調な数字となった。

産学共同研究における「間接経費の直接経費に対する割合」は、組織対組織の本格的な連携を進める近年のキーワードの一つだ。割合を定めているのは479機関で前年度比37機関の増だ。このうち「30%以上」とするのは、33機関で同7機関増。研究型大学を中心に浸透が進むことが裏付けられた。

さらに、今後の発展に向けた投資と位置付けられる「戦略的産学連携経費」を設定する大学は、14機関で同5機関増。直近の共同研究だけでない企業の期待が、高まる様子が明らかになった。

クロスアポイントメント(複数組織との雇用契約)制度も進展している。制度導入は124機関で同25機関増。このうち企業への出向となった教職員数は17人で、同10人増と伸びた。これによる給与上乗せを整備しているのは27機関で、うち7機関は企業への出向で実施済みだった。

この18年度「大学等における産学連携等実施状況について」は19年3月末の調査で、大学など(短大、高等専門学校、大学共同利用機関を含む)の1069機関が対象。回答率は99・3%だった。

日刊工業新聞2020年1月23日

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