NTNがインホイールモーターで新パートナー募集!中国・EVベンチャーが量産せず
NTNは自社開発の電気自動車(EV)向けインホイールモーター(IWM)駆動システムの事業計画を見直す。技術供与契約を交わした中国のEV開発ベンチャー、長春富晟汽車創新技術(FSAT、吉林省)が2019年としていた量産EVへの採用が計画通りに進んでいない。NTNはFSATとの契約内容を見直したもようだ。IWM駆動システムを採用するEVメーカーを新たに探し、事業計画を立て直す。
NTNが開発したIWM駆動システムはタイヤホイール内に設置して車輪を個別に制御できる。サスペンションなど、既存の車の構造を大きく変更せずに搭載できる。
NTNは18年にFSATとの技術供与契約締結を発表。FSATが19年中にIWM駆動システムと車両制御技術を搭載するEVの量産を始めるとしていた。23年には同EVの生産は年30万台に増える計画で、NTNも同年に約70億円のライセンス収入を見込んでいた。19年末時点でFSATは同EVを量産していない。
中国ではEV関連の補助金が減らされ、EVメーカーや電池メーカーなどの経営環境が悪化して、淘汰(とうた)が進んでいる。
NTNは現在、IWM駆動システムを採用する企業を別に探しており、新たなパートナーとともに事業計画を再検討する考えだ。