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三菱重工「787」向け主翼増産で下関工場拡張

 三菱重工業は16日、下関造船所(山口県下関市)で進めてきた航空機工場建物の拡張工事を終え、竣工式を開催した。ボーイングが787型機の生産レートを、現在の月産10機から同14機へ引き上げることに対応する。2016年1月に稼働する。投資額は約38億円。従業員約50人を新規採用する。

 下関造船所では複合材主翼を製造している。拡張は2014年10月に開始。主翼に組み込む補強用部材のストリンガー(縦通材)の生産設備を増強した。今後、複合材を積層した後に高温高圧で焼き固めるオートクレーブ(複合材硬化炉)や部品加工用の切断装置などを順次稼働させる。北村徹下関造船所長は「下関造船所が発展する一つのチャンス。いろいろなことに挑戦し、常に変わっていかねばならない」と語った。

 完成した部材は名古屋・港区にある名古屋航空宇宙システム製作所の大江工場へ輸送。部材を取り付けて主翼構造体を組み立て、ボーイングに納める。大江工場では主翼を組み立てる組立・塗装工場を拡張し、自動穴あけ機や塗装ロボットなどを順次改修する。

 
吉川忠行
吉川忠行 Yoshikawa Tadayuki Aviation Wire 編集長
787の月産10機体制から14機への増産に対応。すでにサプライヤーは14機体制に対する準備が進んでおり増産体制が整いつつあります。

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