ドンキで「小型ネットワークカメラ」が売れている
ディスカウントストアのドン・キホーテが5月に発売したWi―Fi(ワイファイ)接続小型ネットワークカメラ「スマモッチャー」(消費税抜き3980円)は低価格で購入できる点が人気。当初から予想の2倍近い売れ行きで、販売台数は8000台を超えた。大手家電メーカー製なら1万―2万円はするが「安いので複数台購入する人もいる」(柄沢喜行パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスPB事業戦略本部PB企画開発部ゼネラルチーフ)。消費者ニーズをがっちりつかんだ。
柄沢ゼネラルチーフはかねて、外出先からスマートフォンで自宅内の様子を見る、飼っているペットの状況を確認するためのネットワークカメラがほしい人は多いと感じていた。ただ友人知人、顧客からは「ほしいけど高い。操作も難しそう」との声が大半だった。
そこで5000円を切る商品の開発を決意。ネックの金型代を抑えて商品価格を下げるため、パートナーの中小家電メーカーに相談してネットワークカメラの既存金型を探した。中国製など100種類以上の中から最適なものを絞り込んだ。
金型が同じ既存のネットワークカメラはあるが、パートナーと満足のいく機能や性能を徹底して作り込んだ。スピーカーとマイクの搭載で相互通話も可能にし、暗所でも撮影できるようにした。またパッケージを見ただけで商品のことがわかるデザインを採用。取扱説明書はわかりやすい表記にこだわった。こうした工夫も販売増を後押ししている。
柄沢ゼネラルチーフは「常に生活者目線。専門家目線にならないようにしている」と話す。10月発売のDVDプロジェクター(同9980円)は大型液晶テレビがなくても、壁や天井をスクリーンにしてホームシアターを実現する。ネットワークカメラは離れて暮らす老親向け、DVDプロジェクターは家族で過ごすクリスマスや正月向けに、さらなる販売増の時期を迎える。