台風被害が長期化、「郡山」の生産拠点が代替確保に動く

パナソニックや伊藤製鉄所

浸水被害前のパナソニック郡山工場
 台風19号による企業活動への影響が、長期化する懸念が出ている。伊藤製鉄所(東京都千代田区、伊藤寿健社長)は台風19号の被害で休止している郡山工場(福島県郡山市)の全面復旧までに、半年以上かかる可能性があるとの見通しを示した。

 同工場で圧接加工して仕上げる機械式定着工法「FRIP定着工法」用の定着板は当面、同様な加工作業を手がける筑波工場(茨城県つくば市)や石巻工場(宮城県石巻市)から必要に応じて供給することで対応する。

 郡山工場では摩擦圧接用の機械と鉄筋を切断する機械が台風19号で浸水したため、入れ替えへの作業を進めており、新しい装置の本格稼働まで、半年以上の期間がかかる可能性があるという。

 郡山地区では、台風19号で広い地域に浸水被害が出た。市内の工業団地に立地する鋼材加工・流通業者の多くも操業停止を強いられ、復旧を急いでいる。

 大手では、パナソニックも郡山工場(郡山市)が浸水被害で稼働を停止し、中国工場などで代替生産するなど対応に追われている。

 同工場は通常の生産体制に戻るまで2カ月程度かかる見通しで、電子部品業界や電子部品を多く搭載する自動車メーカーなどでは懸念が広がっていた。パナソニックは郡山工場が休止する間も、同材料を安定供給できる体制を整える。

 生産する「メグトロン」などといった多層基板材料を、同様の材料を手がける中国2工場や台湾工場で代替生産することを決定した。すでに中国の広州工場では代替生産を始めた。汎用品については、顧客に対して他の材料メーカーからの調達を要請している。

 郡山工場の復旧に約2カ月を要することを受け、基板メーカーが持つ材料の在庫量の問題から、「電子部品業界では大問題だ」(表面実装加工メーカー)といった声があがっていた。

 多層基板材料は車載や通信機器など、さまざまな業界に関わっている。自動車メーカーの間でも今後の部品調達について不安視する向きがあり、サプライチェーン(部品供給網)への影響が懸念されていた。

 郡山工場では完全復旧に向けて、人員を拡充しながら対応に当たっている。被災後の10月15日に工場内の被害状況を確認し、翌16日から構内の清掃活動をしている。設備の点検や修理も始まっている。

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