次世代家電は“名もなき家事”を解消するか

 大型の展示会は、その時点での業界動向だけでなく、近い将来の技術や産業像まであぶりだす。先週閉幕した国内最大の電機・情報技術・IoT(モノのインターネット)の総合展示会「CEATEC(シーテック)2019」で各社はどんな姿を見せたか―。

スマートライフ


 家電見本市としての存在感は薄れたシーテックだが、スマートライフの加速に家電製品の進化は欠かせない。他社製品・サービスとの連携強化や「名もなき家事」への注目、異業種の参入など、家電製品を取り巻く環境変化を映し出した。

 大手各社は、他社も含めた製品・生活サービスとの連携強化で利便性の向上を図る姿勢をシーテックで強調した。シャープは、子会社を立ち上げて独自のプラットフォーム(基盤)の外販や異業種との連携を進めている。その一つであるAIoTクラウド(東京都江東区)の赤羽良介社長は「プラットフォームへの接続機器の多さがスマートライフ拡大の原動力」と語る。高付加価値製品の競争では、単独で乗り切る難しさが強く意識されている。

名もなき家事


 こうした中、家電と生活サービスとの連携が拡大することで、一般的に家事と認識されづらい作業を指す「名もなき家事」の解消が新たな競争軸になりそうだ。日立グローバルライフソリューションズ(東京都港区)は、新作のドラム式洗濯乾燥機で米アマゾン・ドット・コムのサービスとの連携を発表。洗剤や柔軟剤の消費量に応じて自動注文する機能を予定している。

 新製品開発でも、名もなき家事の解消は注目テーマの一つ。ベンチャー企業のアスティナ(東京都千代田区)は、洗濯物を自動で折り畳んで収納するたんす「インダン」を開発中。「家庭はベンチャー企業も取り組みやすいテーマ」(儀間匠代表)だけに、新たなコンセプトの製品の登場に期待がかかる。

デザインで攻勢


 空間の除菌・脱臭に注目した製品も相次いだ。カルテック(大阪市中央区)は、壁掛けタイプの空間除菌・脱臭機や、除菌・脱臭ができる発光ダイオード(LED)照明など、一般的な空気清浄機とは一線を画すデザインや設置方法で攻勢をかけている。

 異業種からは、日機装が11月に発売予定の空間除菌消臭装置を出展。深紫外線LEDの技術を活用して、8畳ほどの空間の清潔を保つという。クリエイティブテクノロジー(川崎市高津区)は、半導体部品の製造技術を応用して携帯型の空気清浄機を開発。20年春までの投入を目指している。従来型の空気清浄機でも、大手各社を中心にウイルス・花粉対策や生活臭の解消といった機能向上が進む。快適な空間へのニーズは根強く、大手もベンチャーも商機を見いだしている。

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