歩行ペースに合わせてもも上げ助ける技術、産総研など開発

慣性センサー・人工筋肉搭載

 産業技術総合研究所の多田充徳デジタルヒューマン研究チーム長と広島大学の栗田雄一教授らは、歩行者の歩くペースに合わせてもも上げを支援する技術を開発した。健常者で検証したところ脚の振り幅が約10度広がった。高齢者などは脚が上がらなくなると転倒するリスクが増す。1―2年での実用化を目指す。

 空圧式の人工筋肉でももを上げる動作を支援する。かかとの裏に感圧センサー、ももに慣性計測センサー(IMU)を配置する。かかとをついた約300ミリ秒後に反対側の脚の人工筋肉を収縮させることで、もも上げを促す。

 このアシスト効果をIMUで計測する。脚の振り幅が大きくなるように人工筋肉の収縮タイミングを自動調整する。同じ人でも体調や状況によって歩くペースが大きく変わる。そのため個人ごとにペースを学習するのではなく、歩く度にタイミング調整を機能させる。調整の演算はスマートフォンで実行できるほど軽い。

 健常者で検証したところ、ももを上げてから、地面を蹴り、後ろに脚が伸びるまでの振り幅が10度広がった。健常者にとっては普段より大股で歩くだけだが、脚が上がらなくなり始めた高齢者などの転倒予防につながるという。つま先が地面につっかえて転ぶ人は、脚が上がらなくなっていることを自覚していない人が多かった。

日刊工業新聞2019年10月18日

  

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