ニュースイッチ

高級コンサルタントのクラウドソーシング「Expert360」はなぜ注目されるのか

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO) “ギグエコノミー”の潮流に乗る
高級コンサルタントのクラウドソーシング「Expert360」はなぜ注目されるのか

サービスを創設したのはBridget Loudon(写真右、以下ラウドン)氏とEmily Yue(写真左、以下ユー)氏の2人

 クラウドソーシングサイトの利用がかなり普及してきている。企業が短期間に仕事を発注したい場合に手軽に利用できるほか、ライフスタイルにあった働き方を志向する人が増えてきているのも普及の要因なのだろう。海外では「Odesk」が最大手のクラウドソーシングサイトだ。

 しかし、現状のクラウドソーシングサイトではプロフェッショナルを探している企業が高い能力をもった労働者を見つけることは簡単ではないし、高い能力を持った人にマッチした仕事があるかと言えばまだまだそうではない。

 そんな現状のクラウドソーシングサイトの欠点をカバーするクラウドソーシングサイトが登場してきている。今回ご紹介するのは高い能力を持ったコンサルタント、プロフェッショナルに特化したクラウドソーシングサイト「Expert360」だ。
https://expert360.com/

 同サイトは2013年7月、オーストラリアにてサービスをスタート。これまでに総額510万ドル(約6億円)の出資を調達しているほか、クラウドソーシングサイト最大手のOdeskの前CEO、Gary Swart氏が出資者かつアドバイザーとして加わるなどして、業界で大きな注目を受けている。

 フリーランスのコンサルタントを雇用できるExpert360

 Expert360では、コンサルタントを欲している企業がプロジェクトを掲示することで、48時間以内にその条件に見合ったコンサルタントと連絡が取れるようになる。また他社の依頼方法と比べて10~15%ほど安くなるなど、迅速かつ低価格で利用できるのが魅力だ。

 Expert360にて依頼できるプロジェクトは「アナリティクス&ファイナンスサポート」「顧客戦略サポート」「デューデリジェンス/M&Aサポート」「市場調査」「マーケティングサポート」「操業改善」「プレゼンテーション&レポート」「資金調達」など、マーケティングやファイナンスなどが中心となっている。

 プロジェクト依頼の際には、サイトが用意しているフォームを利用して入力・送信するか、独自にプロジェクトの概要を作成してサイトに送るしくみをとっている。ここではフォームを利用した依頼方法を見てみよう。

 まず「プロジェクト概要」の項目では、任意のプロジェクト名、どのような依頼を行うのかとその詳細、コンサルティングは、リモートでよいか、それとも現場に来て欲しいのか、プロジェクトはすべてのコンサルタントに見えるようにするか、自分が招待したコンサルトのみが見えるようにするかを選択する。

 つづいて依頼者の情報として、eメールアドレスとパスワード、氏名と電話番号、会社名、国と市名、事業の種類を選択。事業の種類は「スタートアップ」「コンサルティング会社」「投資会社/銀行」の他、「小規模(1000万ドル未満)」「中規模(1000万~5億ドル)」「エンタープライズ(5億ドル超)」から選ぶ方式だ。

 あとは開始日やプロジェクトの予定期間、予算などの情報などを入力して送信すればOK。予算は自分の好きな価格を設定できるが、ほとんどの場合、コンサルタントに依頼すると1日あたり500~5000ドル(約6万~62万円)ほどになるという。

 プロジェクトの概要をサイトに送ると、Expert360が開発したアルゴリズムがその分野に精通しているコンサルタントの候補が提示される。各コンサルタントが担当した顧客からのレビューや実績も閲覧可能なので、依頼者はその中から求めているプロジェクトに適した人物を探せばよい。

 その後はインタビューにてすり合わせを行って最終候補者を選定してサイト上で契約を結び、実際にプロジェクトを進めていくことになる。

 現在サイトに登録しているコンサルタントは4500人超。他にもフリーランスのコンサルタントと接続するサービスはあるが、Expert360は工場エンジニアや合併・買収に関する専門家など、特定の業界における具体的な専門家が多く登録している。そのためどのような規模の企業でも満足度の高いサービスを受けられることが特長だ。

山口豪志
山口豪志 Yamaguchi Goushi Protostar Hong Kong 董事長
事業規模にとらわれず、事業を成長させる上ではどのフェイズの企業も、コンサルティングを活用出来るようにというのは、大変重要なコトだと思う。未経験のコトを一から躓きながらやらせてくれるほど、マーケットは甘くない。スピードをお金が買うという状態と言っても良い、ベンチャーキャピタルから投資を受けた会社は知見のある方の支援を仰いで早く成長する方法を学びとって行くべきだと思う。

編集部のおすすめ