千葉大がドローン研究人材育成で拠点「世界のトップレベルに」

最先端の研究でイノベーションを創出(無人飛行機実証のイメージ)
 千葉大学は11日に飛行ロボット(ドローン)に特化した研究拠点を西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)に開設した。人工知能(AI)を搭載するなど産学連携による最先端のドローン研究を通して学生や若手研究者を育成していく。ドローン研究の第一人者である野波健蔵同大名誉教授は「世界でドローンの学術的な分野をリードできる人材を輩出する」としている。

知能搭載・芸術融合を追求


 今回開設する「千葉大学インテリジェント飛行センター」では、学際的総合工学としてドローン研究関連のプログラムを組み、世界でトップレベルの人材育成を行う。

 2030年頃のモビリティー産業を見据え、昆虫や鳥のように知能を持つドローンなどの研究を進める。またデザインについても工学だけではなく、芸術を融合させたものを追求し、最先端の研究でイノベーションを創出する。これらの研究成果を産学連携などで検証して社会に実装できる技術を確立していく。

 日本ドローンコンソーシアム(千葉市稲毛区)や、先端ロボティクス財団(東京都中央区)とも連携しながら20代の学生や30代の研究者を育成したい考えだ。

 千葉大学インテリジェント飛行センターは自律制御システム研究所(ACSL)の創業者でもある野波名誉教授や、東京大学エッジキャピタル(UTEC、同文京区)の寄付などを原資に開設される。

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インタビュー/千葉大学名誉教授・野波健蔵氏


 ―ACSLを起業して5年間でマザーズ市場に上場しました。
 「千葉大学からの有形無形の支援があったからこそ、新規株式公開(IPO)ができた。今回の寄付はそのお返しの一つだ。63歳という老体にむちを打って起業したが、学生や若手の研究者には無限の可能性がある。インテリジェント飛行センターが起業のシンボルとなり、頑張ってくれたらうれしい」

千葉大学名誉教授・野波健蔵氏

 ―経営の第一線からは退かれました。
 「ACSLは人に任せ、今の私でしかできないことをやりたかった。それが若手人材の育成だ。経営を通してモノづくりは人づくりであることに行き着いた。第2、第3のACSLができ、競争しなければしっかりとした産業の基盤はできない」

 ―人材育成がライフワークですね。
 「(自分が中心となって設立した)先端ロボティクス財団では産業を支える民間の人材を中心に育成する。インテリジェント飛行センターと車の両輪となり、日本のドローン産業を世界のトップレベルにすることが、私にとってとりあえずのゴールだ」(千葉編集委員・中沖泰雄)

2019年10月13日

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