RPAが落雷から工場を守る

デンカが導入

 新潟県の西端、糸魚川市にあるデンカ青海工場。現在、工場内でRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)をプラントの運転管理に活用中だ。設備ストップの要因の一つである落雷情報をRPAで知らせ、未然に防ぐ対策をとっている。今後は、製造成績や経費使用実績などの集計値転記作業をRPAで自動化し、業務生産性のさらなる向上にもつなげていきたい考えだ。

 青海工場は、目の前に日本海、背後に山々が並ぶ。この山から採れる石灰石から、カーバイド(クロロプレンなどの原料)やセメントが作られている。海のそばに山があり、雲が湧きやすく、雷雲が時折発生する。同工場は姫川水系に、自社と北陸電力との合弁会社(黒部川電力)の水力発電所を多く持ち、青海工場と水力発電所をつなぐ送電線が張り巡らされている。そこに雷が落ちれば、電力の供給が止まり、生産がストップする恐れがある。落雷予報が出るとこれまでは工場のスタッフが30分に1回、気象庁ホームページを確認。落雷の危険が高まれば手作業で警告音を発していた。人材を別の作業に振り分けるため、その作業にRPAを導入した。

 RPAを運用して1年半、「大変効果的だと分かった。人手で実施していたときは確認漏れなどがあった。それが一切なくなった」と青海工場長を務める新村哲也常務執行役員は実感する。一方、課題は基幹ソフトウエアと連携する場合、連携をうまくやらないと、誤った結果が発生する危険があることも分かった。「安全に運用するための仕組みやルールづくりが必要だと感じた」。今後は本社(東京都中央区)の協力も得て、生産管理ソフトとの連携の可能性を探る。

 同社は2018年度から5カ年の経営計画を実行中で、生産や業務におけるプロセス改革に取り組んでいる。RPAもその一環で、新村工場長は「部分的に新技術を試すスモールスタートの方針でやってきた。今後はうまくいった技術の適用範囲を拡張させていく」と強調する。(新潟・山田諒)

日刊工業新聞2019年10月9日

  

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