リニアの技術を使った蓄電システムで太陽光発電を安定供給へ

鉄道総研などが次世代フライホイールの実証試験

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 鉄道総合技術研究所は3日、甲府市の米倉山太陽光発電所内に超電導磁気軸受を使用した超電導フライホイール蓄電システムの実証試験施設を完成し、電力系統に連系して稼働を始めた。天候や時間帯などで変動する太陽光発電システムの発電量を同システムを活用し平準化する。山梨県では太陽光発電の安定供給を図り、供給量の拡大につなげる。
 
 同システムは電力をフライホイール(弾み車)の回転エネルギーに変換して蓄えるシステム。実証機や試験施設は鉄道総研や山梨県のほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、クボテック、古河電気工業、ミラプロなどと共同で開発した。
 
 3日に開かれた完成式には関係者など約80人が出席した。鉄道総研の熊谷則道理事長は「今日は節目でありスタート。今後、鉄道にも装置を導入していきたい」と述べた。

 フライホイールは重量4トン、直径2メートルで、世界最大級。出力は300キロワット、蓄電容量は100キロワット時。超電導軸受によりフライホイールを非接触で浮上させ回転し、最高回転数は毎分6000回転にのぼる。

 フライホイール蓄電システムは、電力を繰り返し出し入れでき、蓄電池に比べて、長期間使用できるがメリットだ。また、短時間で電力をためたり放出したりすることができるのもメリットで、太陽光発電の発電状況に合わせて安定的な電力供給が可能になる。

 鉄道総研は国鉄時代のリニアモーターカー開発で培った超電導技術を、在来線の技術に応用するため、技術開発を進めている。超電導フライホイール蓄電システムを鉄道の変電所などに置くことで、回生電力を充放電することが可能になり、エネルギー効率をさらに高めることが期待される。

日刊工業新聞2015年09月04日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

高屋優理
編集局第二産業部
記者

再生可能エネルギーは需要に合わせて発電することが難しく、普及の壁になっています。再生可能エネルギーの開発とセットになっている蓄電の技術開発は、蓄電池が主流ですが、フライホイール蓄電システムは、短時間に大量の電力を出し入れできるのが、技術的な優位性とのこと。山梨県では、再生可能エネルギーの比率を高めることを目標としていて、再生可能エネルギーの開発における技術や産業の集積も目指しているそうです。

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