低圧力で瞬時に放熱する蓄熱セラミックスの仕組み
東大などが開発
東京大学大学院理学系研究科の大越慎一教授らは、長時間熱を蓄積でき、さらに弱い圧力を加えるだけでためていた熱を瞬時に取り出せる蓄熱セラミックスを開発した。酸化チタンの新物質「ラムダ五酸化三チタン」を合成。1リットル当たり237キロジュールの熱量を蓄えられることを明らかにした。自動車の蓄熱材料や太陽熱発電所の蓄熱システムなどへの利用が期待される。
開発したラムダ五酸化三チタンは粒子がブロック型の形状を取る。同物質は弱い圧力を加えることで「ラムダ型」から「ベータ型」に構造を変化させ、熱を放出する。ラムダ型に7メガパスカル(メガは100万)の圧力を加えると、ラムダ型の構造の割合が半分程度になることが明らかになった。さらに198度Cまで加熱するとベータ型からラムダ型に変化し、1リットル当たり237キロジュールの熱量を蓄えられることが分かった。
自動車では運転中に発生する熱を蓄えエンジンの再始動時に使うことで燃費が良くなるため、エンジンやマフラーなどへの部品周りに設置できる蓄熱材料の開発が期待されている。だが実装可能な圧力機構の観点から、10メガパスカル以下での放熱が望ましいとされている。
筑波大学との共同研究。成果は18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。
開発したラムダ五酸化三チタンは粒子がブロック型の形状を取る。同物質は弱い圧力を加えることで「ラムダ型」から「ベータ型」に構造を変化させ、熱を放出する。ラムダ型に7メガパスカル(メガは100万)の圧力を加えると、ラムダ型の構造の割合が半分程度になることが明らかになった。さらに198度Cまで加熱するとベータ型からラムダ型に変化し、1リットル当たり237キロジュールの熱量を蓄えられることが分かった。
自動車では運転中に発生する熱を蓄えエンジンの再始動時に使うことで燃費が良くなるため、エンジンやマフラーなどへの部品周りに設置できる蓄熱材料の開発が期待されている。だが実装可能な圧力機構の観点から、10メガパスカル以下での放熱が望ましいとされている。
筑波大学との共同研究。成果は18日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。
日刊工業新聞2019年9月19日