ドコモがいよいよ開始、5Gプレサービスの中身

基地局は整備前倒し

 NTTドコモは次世代通信規格「第5世代通信(5G)」の基地局整備を前倒しする。技術者約1万人を動員して2020年6月までに47都道府県全てに基地局を設置。21年6月までに合計1万局を設置する。18日に都内で開いた5Gプレサービス発表会で吉沢和弘社長が発表した。4GLTE以降のコアネットワーク(基幹網)の完全仮想化も正式発表した。運用コストの3割削減を目指す。(文=編集委員・水嶋真人)

 20日に始める5Gプレサービスでは、富士通とNEC、ノキアと協力し、4G・5Gの基地局装置のメーカーが異なっていても相互接続を可能とする運用を実施する。

 従来は基地局装置同士を接続する信号の送受信ルールが装置メーカーごとに異なり、通信がつながりにくくなっていた。

 このため、通常は同じメーカーの基地局装置同士を接続しているが、5G通信規格の国際標準化団体「O―RANアライアンス」で基地局装置間の接続仕様の国際標準化を進め、相互接続を実現した。

 これにより、既存の4G網を活用しながら5G網を広げる5Gの普及初期でも、例えばNEC製の装置を用いた4G基地局とノキア製の装置を用いた5G基地局の相互接続ができる。広い地域のカバーが得意、山間部に強いなど、異なる特徴を持つメーカーの基地局装置を組み合わせることで「低コストで自由度の高い5G網を構築できる」(吉沢社長)という。

 このほか、5Gプレサービス発表会では製造業向けサービスも複数展示した。ワコムが開発した、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を用いた仮想空間内での3次元(3D)描画サービスは、仮想空間内で実物大の自動車のクレーモデル(粘土模型)や車内デザインを3Dで制作可能。5Gを用いれば遠隔地にいるデザイナー同士が仮想空間を共有し、リアルタイムで共同設計できるようになる。

 すでに複数の自動車メーカーが検証しており、従来10回程度必要だったクレーモデルの制作が2、3回で済むようになる。VRゲーム設計などにも活用できるという。

 米国のシンメトリー・ディメンションズ(デラウェア州)とは、飛行ロボット(ドローン)で取得した3D座標群を5Gで収集・処理することで、VR空間上に現実世界の空間を再現する共同実験を始める。災害現場など人が入れない場所でも容易に測量できる。都市全体をVR空間に再現すれば、電気・ガスの流れや人流情報を付加し、事故や故障予測ができる。

日刊工業新聞2019年9月19日

  

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