脱プラ市場を掴むか、「ポリ乳酸」を食品容器に生かす新技術

日精樹脂が開発

 日精樹脂工業は植物由来の生分解性樹脂「ポリ乳酸(PLA)」を薄く透明に射出成形できる技術を開発した。薄さは最小0・65ミリメートル。射出成形では世界最薄水準という。食品容器などでの活用を見込み、同技術を搭載した射出成形システムとして10月にも受注を始める。海洋汚染問題で使い捨てプラスチック容器の規制が強まる中、容器の素材を石油由来の樹脂から代替できる成形技術として提案し、環境ニーズに対応する。

 PLAはトウモロコシやサトウキビといった植物由来の樹脂で、微生物の働きで最終的に二酸化炭素(CO2)と水に分解される生分解性がある。日精樹脂は超臨界状態のCO2をPLAに混入して射出することで、薄肉で透明な容器を成形できる技術を確立。小松技術士事務所(福島県いわき市)と連携し、同事務所の特許や周辺技術なども組み合わせて実用化した。

 流動性の低いPLAは薄い容器の成形が難しく、フィルムなどでの活用に留まっていた。新技術により素材にPLAを100%活用した食品容器の射出成形用途などでの活用を見込む。

 10月にドイツで開かれるプラスチック関連の展示会「K2019」で、同技術を搭載した射出成形システムを出展。循環型社会の実現に貢献できる環境技術として、国内外で提案を積極化する。

 フランスは2020年以降、生物由来の素材を50%以上含み、堆肥化できるプラスチック容器でなければ使用を禁止するなど、各国で使い捨てプラスチック容器の規制が強化されている。また欧州の業界団体はPLAの生産能力が22年に17年比50%増えると予測するなど、需要の拡大も見込まれる。

日刊工業新聞2019年9月2日

  

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