デジカメ各社がお手軽イメージセンサー搭載機に力を入れるワケ

「APS-C」で新製品続々、スマホとの差別化で幅広いユーザー狙う

 イメージセンサーが35ミリメートルフルサイズよりも少し小さい、APS―Cサイズを搭載したデジタルカメラの新機種が相次ぐ。APS―Cカメラは、こだわりが強く腕前もあるハイアマチュアからエントリー層までターゲットが幅広い。ハイアマチュアやプロを主要ユーザーに想定するフルサイズカメラ以上に、販売動向が市場にもたらす影響は大きい。縮小が続くデジカメ市場で、フルサイズに続く成長のけん引役になりそうだ。

 ソニーはAPS―C機最上位機種の「α6600」を11月1日に、エントリー層を中心としたライトユーザー向けの「同6100」を10月25日に発売する。手ブレ補正機能や動画性能、バッテリー容量を強化したα6600は、プロのサブ機需要も狙う。小型・軽量で持ち運びやすい同6100は、本格的な撮影を手軽に楽しみたいユーザーに訴求する。

 投入の背景には、2月に発売した「同6400」の人気がある。ソニーマーケティング(東京都品川区)プロダクツビジネス本部デジタルイメージングビジネス部の小笠原啓克統括部長は「ラインアップを上下に広げて(α6400で示した)本格的な撮影機能を手軽に楽しむ流れをさらに加速させる」と狙いを語る。価格や性能などの点で、同6400の「上」に同6600、「下」に同6100という品ぞろえで年末商戦をにらむ。

 キヤノンも人気機種の後継機投入で攻勢をかけている。一眼レフカメラ「EOS90D」を今月中旬に、ミラーレスカメラ「同M6 MarkII」を下旬にそれぞれ発売する。新開発のイメージセンサーや最新エンジンの搭載で画質や連写性能を強化した。

 同社のAPS―C機では、2018年3月に発売した「EOS KissM」が女性を中心に強い人気を誇るが、今期の販売では反動減が発生している。EOS M6 MarkIIは、ハイアマチュアからエントリー層までターゲットを幅広く設定することで、顧客層の拡大を後押しする。

 ソニー、キヤノンともに、スマートフォンの普及を背景に、上位機種の本格的な撮影機能を手軽に楽しめる製品を投入する点は共通している。連写速度や望遠などの性能でレンズ交換型システムの優位性を訴求し、スマホのカメラ機能との差別化を進める。
(取材・国広伽奈子)

日刊工業新聞2019年9月2日

  

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