離職予兆を察知する?!カオナビの新システム「パルスサーベイ」

管理データから統合的な要因分析・判断が可能

  • 0
  • 1
カオナビの新システム「パルスサーベイ」
**ニーズくみ取り課題解決
 カオナビは離職予兆を察知できる新機能「パルスサーベイ」を10月から開始する。パルスサーベイは社員のスキルや評価履歴、性格などを顔写真とともにクラウド管理できるツール「カオナビ」のデータと簡単なアンケートを基に離職予兆をする。厚生労働省のデータによると、2015年3月に大学を卒業し、就職した3年目までの離職率は31・8%と3割を超え、離職の増加や人材不足が企業の大きな課題になっている。そうした背景に加え、顧客のニーズをくみ取りながら、社会的な課題を解決する仕組みを構築した。

統合的に判断


 パルスサーベイは「社会心理学的なアプローチではなく、カオナビで管理している統合的なデータから離職予兆が判断できる」(佐藤寛之副社長)とし、蓄積したデータを基に判断できることが特徴だ。社員には同社が作成した簡単な質問票に週ごとや月ごとに回答してもらう。繰り返し実施し、心理状態や組織の健全性を定点観測する。例えば、「異動後に消極的な回答が多くなった」「同時期の人事評価面談履歴を確認すると、異動に対して不満を持っているコメントがある」など、時系列にアンケート結果と他の情報を合わせて統合的に要因分析や判断ができる。予兆を検知するアラートは各人のパーソナリティーに合わせる必要があり、人事部などの管理者が各個別に設定できる。

佐藤副社長(右)と平松プロダクト本部長

SaaS生かす


 佐藤副社長は「我々のサービスは物を売って終わりではない。SaaS(サービスとしてのソフトウエア)型のビジネスとして、ユーザーの声に答えていく。開発側も、他社との違いや強みを生かした仮説を立てて開発をしていった。SaaS型のビジネスの特性を生かして、製品化までこぎ着けた」と振り返る。

 「当初は、開発者視点でカオナビ機能向上を考えて研究開発していた」と平松達矢プロダクト本部長。開発途中から顧客企業の離職防止に対する悩みや昨今の働き方改革の影響もあり製品化となった。「開発途中からマーケットニーズを反映させたため、開発のギアチェンジが難しかった」(平松本部長)と苦労もあった。

AI活用も視野


 同社は楽天技術研究所と従業員のコンディションや退職リスクを予測する人工知能(AI)開発に取り組んでいる。パルスサーベイへのAI活用も模索していく。そのほか、ビジネス用チャットアプリケーション(応用ソフト)「Slack(スラック)」とも6月から連携を開始。アンケートの回答をスラックから直接入力できるようにするなど、細かな機能向上をしていく予定だ。国内の人口が減少する中で、佐藤副社長は「より知恵を使って人材マネジメントの生産性向上をしていきたい。その中で足りない機能はAIなどの先進的な技術も使いながら付加していく」と意気込む。(鎌田正雄)

関連する記事はこちら

特集