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【今週のリケジョ】データ分析で生活を豊かに

日立製作所・三品知子(みしな・ともこ)さん
 「みんなの生活が豊かになるような仕事をしていきたい」と高い志を語るのは、日立製作所でデータサイエンティストとして活躍する三品知子さん(36)。流通・小売り業の経営課題をデータ分析で解決する。4月からは中央大学で応用統計の研究を始めた。3年後の博士号取得を目指す。

 スーパーやコンビニエンスストアなどからデータを預かり、分析して、その結果を経営や業務に生かしてもらうソリューションを提供することが業務です。店舗で働く人員が集まらない中で売上高を上げなければならず、データを活用した業務の効率化に関するニーズが多くあります。

 慶応義塾大学環境情報学部を卒業しました。認知科学の研究室で人工知能(AI)の基礎となるパターン認識や自然言語処理など幅広いテーマを学びました。2019年春に中央大学理工学研究科に入学し、応用統計の研究を始めました。最近では汎用のプログラミング言語を活用したディープラーニング(深層学習)のツールが整備されていますが、業務や課題に対するアプローチ手法は適切なのか、データサイエンティストとして深く理解する必要があると感じました。AIが導き出した結果を解析できなければ、企業の業務に当てはめることはできません。私は統計の理論をベースにして顧客に最適な説明をしたいと思っています。

 データを分析するという考え方は何十年も前からある古典的な手法で、ディープラーニングのような最新のスキルやノウハウが必要な分野でもあります。最新の理論を追求する大変さの一方、学んだ考え方をすぐに業務に実践できるという魅力がデータサイエンティストにはあります。

 ファッションやメークが好きですが、今は4歳の娘と遊ぶことが何よりのリフレッシュです。(文=川口拓洋、写真=成田麻珠)

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◇日立製作所 流通システム本部第三システム部技師 

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