【今週のリケジョ】「渋谷ソラスタ」を考え尽くした

東急不動産・粂知里さん

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 「自社で手がけた物件への入居だけにプレッシャーも大きいですが、めったにない機会という期待が勝っています」。東急不動産の粂知里さん(30)が挑むのは、新たな働き方を実現するオフィスの提案だ。3月末に完成した「渋谷ソラスタ」の開発に参画。自ら使い勝手を検証し、理想の空間を追求する。

 東京工業大学の建築学科から東工大大学院に進み、情報環境学専攻の修士課程を修了。社会全体が環境に配慮した仕組みを求める中で、建物の性能向上によって課題解決を目指す研究に没頭しました。東急不動産を選んだのは街づくりへの憧れからです。ちょうど渋谷駅一帯の再開発が第2段階に入ったころで、そのスケールの大きさに圧倒されました。

 2014年に入社し、最初は渋谷・道玄坂近くのビルで商業区画の計画作成に携わりました。その後、旧本社など4棟を一体的に建て替えるソラスタのプロジェクトに参加。元々のビルを解体し、いよいよ詳細を決めるという段階でした。しかも、当社の新本社でもある。ワクワクしたことを覚えています。

 特にこだわったのがラウンジなど共用部です。働き方の選択肢を広げるというコンセプトはありましたが、どう仕上げれば良いかは未知数です。「カフェのような空間にしたい」「それなら照明はこれだ」「壁はどうしよう」と、ギリギリまで悩みました。たくさんの方に使ってもらえるとうれしいです。

 実はソラスタは、完成まで見届けた初めての物件。若手が長期案件をずっと担当できる例は少ないのですが、川上から川下までの知識を深めたいと希望しました。正直大変なこともありましたが、思い描いたものが形づくられていく様子に疲れも吹き飛びました。

 休日は気になる建物を訪れたり、美術館を巡ったりしています。西沢立衛さんが設計した香川県の豊島美術館がオススメです。(文=堀田創平、写真=成田麻珠)

日刊工業新聞2019年8月19日

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