メリット多数…ゴミ焼却炉は完全自動運転の時代へ

JFEエンジ、AI活用

 JFEエンジニアリング(東京都千代田区、大下元社長、03・6212・0800)は、人工知能(AI)を用いたゴミ焼却炉完全自動運転システムの商品化を目指す。2019年度に計4カ所の焼却炉で実証運転を実施。実績をモデルケースに、自動運転システムの基本モデルとして商品化する。20年度以降、焼却炉納入済みの自治体や新規施設向けに営業提案し、年3件の受注を目指す。

 JFEエンジニアリングは18年10月に「新田清掃センター」(新潟市西区)で、焼却炉の完全自動運転の実証に成功した。同焼却炉に続き、東京都三鷹市・調布市の焼却炉でも現在実証中。19年度に他2カ所で実証運転を行う考え。

 ゴミ焼却炉の運転は通常、3―5人の運転員が24時間体制で監視し、ゴミの状態や量に合わせて燃焼状態を調節している。運転員により細かい操作に違いがあるうえ、熟練経験も必要なため省人化が求められている。

 新潟市の実証運転ではベテラン運転員の操作をAIに学習させるとともに、燃焼画像の1分ごとのデータや温度センサーの情報をビッグデータ(大量データ)で分析・活用して、完全自動運転を達成。

 焼却炉のゴミは地域や炉のサイズにより違いがあることから、他の焼却炉で同様の自動運転を実施。データをAIに学習させ、商品化につなげる。

 システム導入で、運転員のローテーション勤務の調整が容易になる。技能の育成期間も短縮できるほか、安定燃焼によりゴミ焼却発電量を増大できるメリットがある。売電収入の増加で運営コストを改善できる。

 JFEエンジは、IT専門知識のない社員でもAIやビッグデータを活用できるデータ解析ツールを18年11月に開発。焼却炉自動運転システム営業にも、この利点を生かす。

日刊工業新聞2019年8月12日

  

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