一時は全国に69店、アクセサリーブランドを倒産へと導いた十字架
レモンツリー、拡大路線で過大借入
レモンツリーは1976年10月創業のシルバーアクセサリー小売業者だ。40年以上の業歴を誇り、業界内では草分け的な存在として高い知名度を有していた。
取扱品はシルバーアクセサリーが主体で、中高生から30代までの女性がメインターゲット。主力店舗となる「Lemontree」をはじめ「SWC」「luna―di―miele」など顧客層の異なる7ブランドの店舗を展開。札幌から福岡まで店舗を広げ、大型商業施設など各地区の一等地で5―10坪の小規模店舗を運営していた。
ピークとなる2008年5月期には69店舗を展開し、年売上高約19億円を計上。12年には新ブランド「pink lemontree」を立ち上げ、同ブランドだけで18店舗まで増やしていった。
出店攻勢の背景には大手総合スーパーでの出店と金融機関の積極的な支援があり、この二つが拡大路線に拍車をかけた。売り上げがピークアウトした後も金融債務は高い水準を維持していた。
しかし、この出店攻勢は失敗に終わる。特に新ブランドは郊外型ショッピングモールで売り場面積の大きい店舗が多かったため、ジュエリー以外の品ぞろえが必要となり、ファッション雑貨の取り扱いが増加。結果として在庫負担が増し利益を圧迫。13年3月期の在庫は売上原価ベースで月商倍率24・67カ月という異常な状態にまで膨れ上がった。
また人件費やテナント料増加など新ブランドは採算が合わず、ほとんどの店舗で不採算となっていた。
既存店もリーマン・ショック以降は財布のひもが固くなった消費者に苦戦を強いられていた。このため16年7月には金融機関へリスケを要請したが、毎期不採算店の閉鎖処理費用がかさみ、収益面は改善を見せることはなかった。
店舗数は約30店まで減少し、年売上高は約3億7600万円までダウン。その後も業績が持ち直すことなく、ついに19年5月27日に大阪地裁へ自己破産を申請した。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業概要>
(株)レモンツリー
住所:藤井寺市岡2―12―5
代表:平田惠三氏
資本金:1000万円
年売上高:約3億7600万円(18年8月期)
負債:約13億1000万円>
取扱品はシルバーアクセサリーが主体で、中高生から30代までの女性がメインターゲット。主力店舗となる「Lemontree」をはじめ「SWC」「luna―di―miele」など顧客層の異なる7ブランドの店舗を展開。札幌から福岡まで店舗を広げ、大型商業施設など各地区の一等地で5―10坪の小規模店舗を運営していた。
ピークとなる2008年5月期には69店舗を展開し、年売上高約19億円を計上。12年には新ブランド「pink lemontree」を立ち上げ、同ブランドだけで18店舗まで増やしていった。
出店攻勢の背景には大手総合スーパーでの出店と金融機関の積極的な支援があり、この二つが拡大路線に拍車をかけた。売り上げがピークアウトした後も金融債務は高い水準を維持していた。
しかし、この出店攻勢は失敗に終わる。特に新ブランドは郊外型ショッピングモールで売り場面積の大きい店舗が多かったため、ジュエリー以外の品ぞろえが必要となり、ファッション雑貨の取り扱いが増加。結果として在庫負担が増し利益を圧迫。13年3月期の在庫は売上原価ベースで月商倍率24・67カ月という異常な状態にまで膨れ上がった。
また人件費やテナント料増加など新ブランドは採算が合わず、ほとんどの店舗で不採算となっていた。
既存店もリーマン・ショック以降は財布のひもが固くなった消費者に苦戦を強いられていた。このため16年7月には金融機関へリスケを要請したが、毎期不採算店の閉鎖処理費用がかさみ、収益面は改善を見せることはなかった。
店舗数は約30店まで減少し、年売上高は約3億7600万円までダウン。その後も業績が持ち直すことなく、ついに19年5月27日に大阪地裁へ自己破産を申請した。
(文=帝国データバンク情報部)
(株)レモンツリー
住所:藤井寺市岡2―12―5
代表:平田惠三氏
資本金:1000万円
年売上高:約3億7600万円(18年8月期)
負債:約13億1000万円>
日刊工業新聞2019年7月23日