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平野ノラも来館、懐かしの携帯に再会できるドコモ博物館の魅力

NTTドコモ歴史展示スクエア(東京都墨田区)
平野ノラも来館、懐かしの携帯に再会できるドコモ博物館の魅力

携帯電話の実機を多数展示

 両国国技館の裏手にそびえる27階建ての高層ビル「NTTドコモ墨田ビル」。携帯電話通信網をつかさどる装置群を設置した同ビルの1階にあるのが、携帯電話の歴史を時代の出来事と一緒に学べる「NTTドコモ歴史展示スクエア」だ。1953年8月に始まった港湾電話からスマートフォンまで国内の無線電話機200機超を展示している。

 国内初の移動可能な無線電話である港湾電話サービスは、東京湾と大阪湾に停泊・航行中の船舶を対象にしたサービスだった。65年には新幹線に設置した新幹線電話、68年にはポケットベル、79年には自動車電話がサービスを始めた。

 同スクエアには、これらの実機を展示している。85年にサービスを開始したショルダーフォンを持って当時の新宿の風景を背景に記念撮影できるコーナーもある。「(お笑いタレントの)平野ノラさんも昨年、番組撮影で来られました」(川村郁夫館長)という。

 もちろん、87年にサービスを始めた携帯電話も多数展示。「P501」など、かつて使っていた携帯電話の機種を見つけて喜ぶ来場者が多い。時代の節目に携帯電話を通じて歴史を振り返るテレビ番組や新聞の取材にも使われ、平成30年を振り返る特集で多くのマスコミが取材に訪れた。広告コーナーではサザンオールスターズや広末涼子さんらを起用した懐かしいカタログも展示している。

 18年度の来場者は約8000人と、年1000人のペースで増え続けている。修学旅行の訪問地となっているほか、バリアフリーで死角となる場所が少ないため、障がい者の見学も多い。シニア向けタブレット教室も開いている。

 産業や文化に関連する製品展示を紹介する墨田区の小さな博物館運動にも参加しており、近隣住民が散歩がてらに訪れることもある。川村館長は「近隣には旧安田庭園や江戸東京博物館もある。江戸の下町文化とともにドコモの歴史にも触れてほしい」と語った。

【メモ】▽開館時間=10時―17時▽入館料=無料(10人以上の団体は事前予約制)▽最寄り駅=JR両国駅徒歩6分▽住所=東京都墨田区横網1の9の2▽電話番号=03・6658・3535
日刊工業新聞2019年7月12日

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