救助犬、人を助けるだけじゃない!走ったデータで災害時の土砂量測定

 東北大学の大野和則准教授らは、救助犬の走ったルートと加速度などのデータから土砂災害の土砂堆積量を推定する技術を開発した。加速度から救助犬が走り抜けたルートの高さなどを3次元的に測る。国土地理院などの地形データと比較すると堆積土砂の厚みを推計できる。救助犬を遠隔誘導する技術と組み合わせて、遠方から測量できない場所の把握に提案していく。

 救助犬が身につけるスーツの慣性計測センサー(IMU)を利用する。加速度を積分して移動距離を算出し、3次元的な移動軌跡を求める。IMUの誤差も積分してしまう問題があったが、犬の走り方を分析して誤差をキャンセルできるタイミングを見つけた。

 高さ1・42メートルの土の山を走り抜けさせたところ計測値は1・32メートルと誤差を10センチメートルに抑えられた。災害直後の大まかな土砂量把握には十分な計測精度だという。土砂の量や状態は2次災害のリスクの判断材料になる。

 衛星測位システムでは犬の速度が速く、うまく計測できなかった。IMUは1秒当たり100回データをとっているため速く走られても計測できる。

 土砂災害の後に、安全が確保できる場所から死角になる場所は測量が難しい。人が立ち入れない環境でも、体重の軽い犬は捜索できる場合がある。

 東北大は救助犬スーツにカメラやライトを載せ、犬を遠隔誘導する技術も開発している。IMU測量と遠隔誘導を組み合わせることで、人が立ち入れない空間で捜索や測量ができるようになる。

日刊工業新聞2019年7月8日

  

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