【動画あり】立って乗る車椅子が進化した、20年夏に試作機完成へ

起立・着座負荷を軽減 筑波大が支援機構

 筑波大学の江口洋丞研究員と鈴木健嗣教授らは、立って乗る立位車いすへの乗り降りを助ける起立着座支援機構を開発した。圧縮バネの力を使って通常のいすに座っている状態から立ち上がり、再び座る際に次の起立の支持力を圧縮バネに蓄える。健常者ではももの内側広筋の負荷を起立時は約60%、着座時に約70%軽減できた。下肢がまひした脊椎損傷患者も乗り降りできることを確かめた。2020年夏に市販モデルの試作機完成を目指す。

 立位車いすは立った姿勢で乗るため、視線の高さを歩行者と同程度に保てる。自身の体重を骨で支えるため骨密度を維持しやすいなどの利点がある。そこで利用者が一人で乗り降りしやすいように支援機構を開発した。

 膝と腰、背をフレームで固定して支え、立ち上がる力を圧縮バネで支援する。まず座った姿勢で腰に固定用ベルトを巻き、車いすが利用者に近づいてきたら車いすのフレームにベルトを固定する。

 圧縮バネで利用者を抱え上げる方向に力を出して、乗り降りを支援する。健常者では背中とお尻とももの筋負荷の軽減を確認した。まだ試験人数は一人だが、下肢のまひした脊椎損傷患者が乗り降りできることを確認できた。

 立位車いすは身体を倒すと前後進、体幹をひねると曲がる機能をもつ。トヨタ・モビリティ基金などが運営する「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」の最終候補に選ばれており、20年夏には製品販売を見据えた市販モデルの試作機を完成させる。

日刊工業新聞2019年6月24日

  

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