次世代スポーツぞくぞく創出!ハイテク・アナログ最前線
スポンサー、メディアでの拡散も鍵
未来の普通の運動会―。ニコニコ学会β(江渡浩一郎委員長・産業技術総合研究所主任研究員)の運動会部が新時代のスポーツを開発している。狩猟社会で格闘技が生まれ、農耕社会では集団スポーツ、工業化社会でモータースポーツ、情報化社会では電子スポーツが生まれた。次はどんなスポーツが生まれるのか。技術者やゲームデザイナー、アスリートなど、多様な人間が集まり、遊びながら新しいスポーツを創ろうとしている。
時代とともにスポーツのスポンサーは変遷してきた。狩猟社会では集落や親族を守るために戦い方や狩りを身につけ、農耕社会では社会階級や組織力を保つために集団競技が振興された。日本では藩と剣道など、運動と人格教育とが組み合わさって「道」を究める文化が定着した。工業化が進んでからは大規模な商業スポーツが広がり、現在はネットゲームがグローバルにプレーヤー同士が競う電子スポーツ(eスポーツ)として広がっている。
普及の推進力となったのは、スポーツや遊び自体の面白さだけではない。スポンサーの意図が大きく影響し、中高生の部活動のように学校教育に組み込まれたスポーツが競技人口を増やしている。
だが近年は市民発のスポーツが生まれている。中でも、飛行ロボット(ドローン)やウエアラブル端末、スマートフォンなどが市民でも扱える技術(シビルテック)になり、メイカーズムーブメントのように、市民自らハイテクスポーツを創れる土壌が整った。ニコニコ学会β運動会部が開いたハッカソンでは、デジタルドッジボールや新型鬼ごっこなど、新競技が開発された。
電気通信大学の野嶋琢也准教授らが開発しているデジタルドッジボールは、選手一人一人にヒットポイントや攻撃力、防御力を割り振る。女性など運動の苦手な人ほど攻撃力が高く、ヒットポイントは観客の応援で回復できる。野嶋准教授は「老若男女が参加でき、観客も参戦できるスポーツにしたい」という。
新型鬼ごっこ「鏡オニ」は3対3で相手の背中を取り合うゲームだ。メインプレーヤーの背中に付けたスマホの色を相手に知られたら負けだ。鏡を持ったサポーターが相手の背中を味方にみせるために走り回る。
ハイテクスポーツの課題はいくつもある。コストを抑えるためにスマホなどの普及デバイスを使っているが、ほとんどのデバイスにスポーツの衝撃に耐える耐久性がない。またボールの当たり判定など、高度な仕組みを入れようとすると、機材などの技術コストが膨らんでいく。
スポーツは振興されるもの?
時代とともにスポーツのスポンサーは変遷してきた。狩猟社会では集落や親族を守るために戦い方や狩りを身につけ、農耕社会では社会階級や組織力を保つために集団競技が振興された。日本では藩と剣道など、運動と人格教育とが組み合わさって「道」を究める文化が定着した。工業化が進んでからは大規模な商業スポーツが広がり、現在はネットゲームがグローバルにプレーヤー同士が競う電子スポーツ(eスポーツ)として広がっている。
普及の推進力となったのは、スポーツや遊び自体の面白さだけではない。スポンサーの意図が大きく影響し、中高生の部活動のように学校教育に組み込まれたスポーツが競技人口を増やしている。
スポーツの民主化
だが近年は市民発のスポーツが生まれている。中でも、飛行ロボット(ドローン)やウエアラブル端末、スマートフォンなどが市民でも扱える技術(シビルテック)になり、メイカーズムーブメントのように、市民自らハイテクスポーツを創れる土壌が整った。ニコニコ学会β運動会部が開いたハッカソンでは、デジタルドッジボールや新型鬼ごっこなど、新競技が開発された。
ハイテクスポーツ
電気通信大学の野嶋琢也准教授らが開発しているデジタルドッジボールは、選手一人一人にヒットポイントや攻撃力、防御力を割り振る。女性など運動の苦手な人ほど攻撃力が高く、ヒットポイントは観客の応援で回復できる。野嶋准教授は「老若男女が参加でき、観客も参戦できるスポーツにしたい」という。
新型鬼ごっこ「鏡オニ」は3対3で相手の背中を取り合うゲームだ。メインプレーヤーの背中に付けたスマホの色を相手に知られたら負けだ。鏡を持ったサポーターが相手の背中を味方にみせるために走り回る。
ハイテクスポーツの課題はいくつもある。コストを抑えるためにスマホなどの普及デバイスを使っているが、ほとんどのデバイスにスポーツの衝撃に耐える耐久性がない。またボールの当たり判定など、高度な仕組みを入れようとすると、機材などの技術コストが膨らんでいく。