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IHIの航空機エンジン、民間も国防も転換点に

生産効率化が必須
IHIの航空機エンジン、民間も国防も転換点に

航空機用ジェットエンジンの最終組み立てや整備事業を担う瑞穂工場

 IHIは航空・宇宙・防衛部門で、民間エンジン事業のコスト削減を推進し、整備の高度化と素形材の拡販を進める。新エンジン「PW1100G―JM」「GE9X」を中心に「優秀な人材を集中投下する」(識名朝春取締役常務執行役員)。設計・生産技術の連携で改善するとともに、工場のスマートファクトリー化で生産の効率化を進める。

 2018年度の同部門売上高は4922億円。営業利益率は9・4%だった。航空エンジンは先行開発投資期間が長いことに加え、量産初期は売価が生産原価を下回る状況が続く。欧エアバスの「A320ネオ」や米ボーイングの「777X」向け新エンジンの生産に優秀な人材を投入。量産初期の不採算期間の短縮につなげる。既存エンジン向けでは高採算が見込めるスペアパーツを拡販する。

 防衛事業では「有償軍事援助(FMS)調達の拡大で、国内産業の取り分が減少している」(同)。この状況を踏まえ、後方支援強化を図るとともに将来の戦闘機用エンジンの開発プログラムを21年度に着手する。
日刊工業新聞2019年5月20日

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