日本IBMの新社長、生え抜き日本人が7年ぶり就任の理由

山口明夫取締役専務執行役員が昇格

 日本IBMは17日、5月1日付でエリー・キーナン社長(54)が取締役会長に就き、山口明夫取締役専務執行役員(54)が社長に昇格する人事を発表した。生え抜きの日本人社長の就任は、橋本孝之氏(64、名誉相談役)以来7年ぶり。山口氏は稼ぎ頭のグローバル・ビジネス・サービス事業本部長として采配を振るってきた。この実績を生かし、5月からは日本企業へのデジタル変革(DX)の支援を加速する。

 日本IBMのトップは12年からマーティン・イェッター取締役会長(59=5月1日付で最高顧問)、ポール与那嶺氏(61=退任済み)、キーナン社長と、3代続いて外国籍が続いた。一連の人事は米IBMによるグローバル戦略に沿ったもので、同時に日本IBMの経営改革を進める狙いがあった。

 この間、経営改革は大きく進んだが、役員職も外国籍が増える中で、実力を持つ日本人幹部らの人材流出が相次いでいた。久々に日本人社長が登板することにより、社内では求心力の高まり、社外ではトップセールスなど客先との関係強化が見込まれる。
山口明夫氏

【略歴】山口明夫氏 87年(昭62)大阪工業大工卒、同年日本IBM入社。09年執行役員、14年常務執行役員、16年専務執行役員、17年取締役専務執行役員。和歌山県出身。


【素顔】社内外から「人望」厚く


 ソフトウエア技術本部の技術者を出発点として、システム構築(SE)やサービス事業で実力を磨き、米IBMの役員補佐や経営企画も歴任した。次世代金融システムをはじめ大型プロジェクトを数多く手掛け、対外的にはプロジェクトマネージメント(PM)学会のアドバイザリーボードでも活動してきた。

 社内外からの人望が厚い。グローバルでは2017年からIBM経営執行メンバーとなり、各国の実務者幹部との交流を深め、顔が利く。顧客先ではアウトソーシング(外部委託)からクラウドサービスまで幅広いニーズに対応。基幹システムのデジタル革新の提案も精力的にこなす。

 社内向けでは、子どもを招く家族イベント「ファミリー・デー」の新企画として、社員の両親を招くイベントも開催。新入社員の両親から喜ばれたという。趣味はゴルフとテニス。社内ではテニス部の部長を務めた。

(編集委員・斉藤実)

日刊工業新聞2019年4月18日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。