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損保ジャパン、助言するAI開発で電話対応力アップを目指す

リアルタイムで顧客の感情を分析し、満足度向上へ
損保ジャパン、助言するAI開発で電話対応力アップを目指す

全国に約300カ所ある保険金支払いサービス拠点で顧客満足度向上を目指す

 損保ジャパン日本興亜は保険金支払いで顧客と電話対応する担当者の応対力向上を支援する人工知能(AI)開発に着手する。リアルタイムで顧客の感情を分析して、場面に応じた行動指針を提案する。顧客満足度の向上につなげるほか、新人教育など人材育成にも利用する。NTTコミュニケーションズと実施し、2022年度の運用開始を目指す。

 損保ジャパンは18年2月、全国の保険金サービス拠点に「音声認識システム」を導入。約1万人の担当者の音声データをテキスト化して蓄積している。第一ステップでは、会話の間や発話数など一般担当者と顧客評価が高い担当者の違いを抽出して可視化する。

 第2ステップは顧客が何に満足したのか推定するAI開発を実施。NTTグループのAI技術を使い、応対時に何が重要な要素となるかを把握する。第3ステップでは、リアルタイムで顧客の感情を分析して、担当者に助言するAI開発を目指す。満足していないと推定すれば、担当者に再度説明を促す。

 同社は、顧客評価が高い担当者をハイパフォーマーと呼び、現在は全体の約20%。AIの運用で、25年度までに80%まで引き上げる計画。心情に配慮した応対によって、安心感を与え満足度を高める。

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