トップクラスの急患搬送件数を誇った病院、なぜ異例の「3度目倒産」?

「戸塚中央病院」、過去の和議債務負担重く

 医療法人社団三友会(さんゆうかい)は、2月1日に横浜地裁より破産手続き開始決定を受けた。50年以上前から一般病院「戸塚中央病院」を運営し、内科(消化器科、循環器科)、外科(脳神経外科、整形外科、形成外科、消化器外科)といった診療科目を有し、一時は90前後のベッド数を確保。開業当時、地元では数少ない救急指定病院として、県下トップクラスの急患搬送件数を誇った時期もあったという。

 しかし、バブル崩壊の時期を境に年収入高は減少に転じた。当時、高齢者中心の入院患者構成や常勤医師が極端に少なく、非常勤医師への人件費負担が膨らみ収益を圧迫していた。年商規模を上回る、従前からの借り入れ負担も重荷となり、1994年9月に負債約9億円を抱えて横浜地裁へ和議申請に追い込まれた。

 実は、三友会が和議を申し立てるのは、このときが初めてではなかった。さかのぼること、さらに20年前の74年、設備投資過多から約6億円の負債を抱えて和議を申し立てており、94年は2度目の申請だった。

 だが、和議を申請したものの、債権者の同意が得られず債権元本自体のカットは一切得られなかった。利息を抜きにすれば、今でいうリスケジュール(借入金元本の返済猶予)と同じ効果しか得られず、2度の和議債務の返済負担が、その後も重くのしかかった。

 近年も経営状態は改善せず、断続的な赤字決算が続き、直近の債務超過額は年商規模を大きく上回る4億円超に達した。和議債務の補填などに伴う借入金の返済もままならないまま、2019年2月、3度目の倒産となる破産手続き開始決定を受けた。

 法的整理手続きを3度も行うのは、きわめてまれなケースだが、2度目の和議申請時に一定額の債権カットを受けられていれば、このタイミングで今回のような結末には至らなかっただろう。
(文=帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2019年4月2日

  

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