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コーヒーの“かす”は農業の頼れる味方

肥料だけでなく凍霜害防止材にも
 アサヒグループホールディングス(GHD)は関西大学発ベンチャーのKUREi(カレイ、大阪府吹田市)に出資し、コーヒー粕を原料にした凍霜害防止材の事業化を推進する。アサヒ飲料のコーヒー飲料製造の副産物として排出されるコーヒー粕を肥料など以外に有効利用する。開発する凍霜害防止材は氷点下でも水分が液体として存在できるようにする技術で農作物被害を抑制できる。5年で事業を軌道に乗せる。

 アサヒGHDは月内にKUREiに出資する。出資額は非公表。関西大の河原秀久教授がコーヒー粕の成分が氷結晶の形成を妨げることを発見し、凍霜害を防止する「過冷却促進物質」の事業化に向けKUREiを2016年に設立した。

 今後、両社でコーヒー粕由来のエキスを用いた凍霜害防止材の開発を推進する。アサヒ飲料の北陸工場が排出する年約9000トンのコーヒー粕を対象として活用する。

 アサヒグループは国内36工場で副産物・廃棄物の再資源化100%を維持。コーヒー粕も肥料やバイオマスエネルギーとして活用している。
日刊工業新聞2019年3月25日

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