抹茶製造会社の輸出戦略に見る、国内外の消費方法の違い
あいやが注力
抹茶製造のあいや(愛知県西尾市、杉田武男社長、0563・56・2233)が、輸出に力を入れている。1年に1回、海外現地法人の代表が集う「インターナショナルミーティング」を開催。各国の抹茶市場の動向や目標などを報告し、共有する。抹茶は国内では色味や風味が重要視されるが、海外では健康に良いものとして認識され、国内の消費方法とは異なる。
あいやの2018年度の抹茶の輸出量は、工場がある中国を除き、全出荷量の約5割を占めている。01年に米国に現地法人を設立後、輸出を本格的に始め、現在ではドイツ、オーストリア、中国、タイなどに拠点を持つ。13年度の輸出量と比べると約1・5倍に増えている。杉田社長は「他社に先駆けて輸出が進んでいる状況だと思っている」と自信を見せる。
抹茶は米国では3―4年前から認知度が高まってきたという。米国市場では「アンチエイジング」「抗酸化作用」といったキーワードとともに消費が増えている。他方、欧州では動物性食品を摂取しない「ベジタリアン」が増加傾向にあることを背景に、売り上げを伸ばしているという。例えば、フランスでは自然食品としてスーパーマーケットで販売されている。
米国、欧州以外でも抹茶は健康に良く、機能性がある商品として、認識が高まっている。そうした市場では、抹茶はそのまま味わうのではなく、他の素材と混ぜることが多いため、抹茶本来の味が分からないことも多い。そのため、同社は海外では品質や機能性をアピールして売り上げを拡大してきた。
米国ではカフェチェーンで抹茶製品が扱われている。カフェインをコーヒーからでなく、抹茶から健康的に取りたいという需要があるという。また欧州では最近「抹茶チョコ」「抹茶ラテ」など抹茶の味にこだわった商品が流通し始めている。もちろん、抹茶そのものではないものの、抹茶本来の味が伝わるような商品が海外でも受け入れられつつある。
米国法人「あいやアメリカ」(カリフォルニア州)の杉田文弘社長は「輸入を始めた当時は抹茶を広めることが先だったが、認知度が上がってきた今、本来の味でも勝負していきたい」と話す。
ただ、海外で流通している抹茶の多くは、日本で見られるような風味や色味が良い抹茶とは異なる。そうした市場にどう日本の抹茶を広めていくか。杉田あいやアメリカ社長は「日本の歴史ある素材として説明していくことで市場を開拓していく」と意気込む。
2年後には輸出比率を6割に高める目標を掲げるあいや。抹茶本来の味も伝えつつ市場を広げる方針だ。
(文=名古屋・岩崎左恵)
あいやの2018年度の抹茶の輸出量は、工場がある中国を除き、全出荷量の約5割を占めている。01年に米国に現地法人を設立後、輸出を本格的に始め、現在ではドイツ、オーストリア、中国、タイなどに拠点を持つ。13年度の輸出量と比べると約1・5倍に増えている。杉田社長は「他社に先駆けて輸出が進んでいる状況だと思っている」と自信を見せる。
認知度が向上
抹茶は米国では3―4年前から認知度が高まってきたという。米国市場では「アンチエイジング」「抗酸化作用」といったキーワードとともに消費が増えている。他方、欧州では動物性食品を摂取しない「ベジタリアン」が増加傾向にあることを背景に、売り上げを伸ばしているという。例えば、フランスでは自然食品としてスーパーマーケットで販売されている。
米国、欧州以外でも抹茶は健康に良く、機能性がある商品として、認識が高まっている。そうした市場では、抹茶はそのまま味わうのではなく、他の素材と混ぜることが多いため、抹茶本来の味が分からないことも多い。そのため、同社は海外では品質や機能性をアピールして売り上げを拡大してきた。
米国ではカフェチェーンで抹茶製品が扱われている。カフェインをコーヒーからでなく、抹茶から健康的に取りたいという需要があるという。また欧州では最近「抹茶チョコ」「抹茶ラテ」など抹茶の味にこだわった商品が流通し始めている。もちろん、抹茶そのものではないものの、抹茶本来の味が伝わるような商品が海外でも受け入れられつつある。
本来の味で勝負
米国法人「あいやアメリカ」(カリフォルニア州)の杉田文弘社長は「輸入を始めた当時は抹茶を広めることが先だったが、認知度が上がってきた今、本来の味でも勝負していきたい」と話す。
ただ、海外で流通している抹茶の多くは、日本で見られるような風味や色味が良い抹茶とは異なる。そうした市場にどう日本の抹茶を広めていくか。杉田あいやアメリカ社長は「日本の歴史ある素材として説明していくことで市場を開拓していく」と意気込む。
2年後には輸出比率を6割に高める目標を掲げるあいや。抹茶本来の味も伝えつつ市場を広げる方針だ。
(文=名古屋・岩崎左恵)
日刊工業新聞2019年3月22日