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「マツダ3」の外観がよく風切り音が少ない理由

新しいシーリングゴムを供給するサプライヤーのこだわり
「マツダ3」の外観がよく風切り音が少ない理由

北米を皮切りに順次発売した新型「マツダ3(日本名アクセラ)」(マツダ公式ページより)

**西川ゴム工業・福岡美朝社長インタビュー
 
 ―リスクが多い世界情勢です。
 「1社ではどうにもならない要因が多く、よくて現状維持、ネガティブリスクの方が高いのが共通認識では。基本的なことを粛々と徹底的にやりたい。当社の西川正洋会長がよく使う『凡事徹底』がいい言葉で、まずはそこから始める」

 ―どんなことに取り組みますか。
 「マツダが量産を始めた次期『マツダ3』に新しいシーリングゴムの提供を始めた。車体と窓ガラスとの段差をなくして平面にできるゴムで、外観がよく風切り音も減らせる。他社にも提案を進めており、手応えがある」

 ―モノづくりでは。
 「IT化や自動化を進める。上流に当たるゴムの混練は難しく“熟練の技”が残ってきた。練るスピードや温度などのデータを蓄積しており、良品の製造条件を固めて“不良品が作れない工場”を目指す。また、押し出したゴム部材をつなげる下流工程や出荷前の全数検査工程では、まだまだ人手作業が残っている。国内より米国工場でむしろロボット化が進んでおり、逆輸入して展開する」

 ―海外展開を加速しています。
 「中国の武漢工場は今春着工し、秋に稼働の予定。日系だけでなく米国系や現地資本からも受注を広げたい。トヨタ自動車とマツダの米アラバマ新工場に対しては、当社は米国にもメキシコにも工場がある。自動車メーカーの意向も考慮しながら供給体制を決める」
西川ゴム工業社長・福岡美朝氏
日刊工業新聞2019年2月21日
清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
水漏れを防ぐシーリングゴムは、地味だが高品質な日本車を支える象徴的な部品。福岡社長の話からは、最先端のIT活用などで、モノづくりのあり方をもう一度見直し、さらに底上げしたいという強い意志を感じる。取り組むべき課題は多いが、乗り越えることでより競争力のある会社へと脱皮できるだろう。

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