ガソリン・電力を地域で共同調達、広がる“九大モデル”のメリット

コスト削減効果が引き出せる

 九州大学が始めた九州地域の大学などとのガソリンや電力の共同調達が広がりを見せている。使用量が増えると値引き率が高まり、共同でコスト削減効果が引き出せる。2018年度にスタートし、ガソリンでは九州国立博物館も参加。電力では19年度から同地区に研究施設を持つ京都大学や九州工業大学が加わる。九大は公立大学や自治体へも参加を呼びかける。地域中核大学が仕組みを整え、他機関の参加で規模のメリットを引き出す手法が注目される。

大学はキャンパス間に加え、病院や研究施設の移動に公用車を使う。ガソリンカードの活用で九大、佐賀大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、鹿屋体育大学、九州国立博物館、久留米工業高等専門学校が連携した。

ガソリンカードは石油元売り会社とカード会社が提携するクレジットカードだ。給油の支払いに使うと、契約全体の給油量が多いほど、契約単価の全国平均価格からの値引き幅が大きくなる。燃料価格の変動に伴う契約変更もせずにすむ。

一方、電力(高圧)の共同調達は同地域の7国立大、8高等専門学校で実施。電気事業者8社の応札から九州電力が落札、削減効果は計年1億6800万円だ。「配送コストを考えなくてよい電力などは共同調達向き」(九大の佐藤哲康財務部長)で、高専1校当たり1000万円程度の削減に感謝されるという。

高専や小規模大学などは、単独では電力使用量が少なく、こういった入札が成立しない、仕様書が特殊で事務負担が大きいなど課題がある。九大も単独ではさほどの値引きでなかったという。適度な規模の大学を中心に、ウィン−ウィンの関係を構築するのがポイントのようだ。
(文=山本佳世子)

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日刊工業新聞2019年2月21日

山本 佳世子

山本 佳世子
02月22日
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大規模大学はあまりに突出していると「周辺の他の大学のことを考えるなんて、面倒なだけでメリットなし」という気持ちになる。それが今回のような
ケースでは、「地域と他大学のために動くことで、自分たちにもメリットが得られる」ことになる。単独で世界と戦う、例えば指定国立大学は前者となるかもしれないが、地域の中核大学はぜひ、後者で存在感を増してほしい。

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