売り場から遊び場へ、化粧品「ポップアップストア」の進化がスゴい!

AR活用や“インスタ映え”など楽しめる工夫を導入

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手やボトルを動かして製品について学べる(SK―II、ピテラテーブル)
 “売り場”から“遊び場へ”―。空き店舗などを活用して期間限定で店を構える「ポップアップストア」が進化しようとしている。化粧品業界では多くのブランドが販売促進のために活用しているが、近年は拡張現実(AR)やインスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)を活用した“体験”を提供する店舗が増えている。

学べる空間


 ザ・プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー(P&G)の子会社P&Gプレステージが展開する化粧品ブランド「SK―II」はARを活用。遊びながら製品について学べる場を作り上げた。

 来場者に専用のARアプリをダウンロードしたスマートフォンを貸し出し、3部屋を冒険してもらう。それぞれに仕掛けを用意し、同スマートフォンをかざすと音楽に連動して揺れる壁などの非日常が楽しめる。

 さらに学べる空間も用意。動きに反応して製品特徴を案内する「ピテラテーブル」を設置したほか、顔を撮影してARアプリを所定の場所にかざすと肌年齢をアプリに表示するシステムも用意した。店員と会話せず、1人でこっそり肌年齢を確かめられる。

 SK―IIのサンディープ・セスグローバル最高経営責任者は「これまでにない全く新しいビューティーストアを展開していく」と話している。次回はどのような店舗を展開するのか、期待がかかる。

インスタ意識


インスタ映えを狙ったフォトスポットを用意(資生堂)

 資生堂が展開する「クレ・ド・ポー ボーテ」ブランドのルージュルミヌは、ポップアップイベント「Playful Sweets」を開催した。スイーツをテーマに、遊びながら新しいリップカラーに出会える場を提供した。

 スイーツの世界の一部になったような写真を撮影できるフォトスペースでは、“インスタ映え”を狙った。紙製のバイオリンを持って撮影すれば、お菓子のお皿の上で演奏会をしているような写真が撮影できる。

若年層にPR


 同写真がSNSで拡散すれば、製品自体の知名度が上がる仕組みだ。広報担当者は「SNSはマーケティング戦略において欠かせないモノになりつつある。今後もうまく活用していきたい」と話している。

 10代からスキンケアに興味を示す女性が増えており、スキンケア各社は若年層の心をつかむPRに力を入れる。インスタグラムなどSNSの活用は今後も増えていきそうだ。遊び場からの発信がどのような効果をもたらすのか注目だ。
(文=門脇花梨)

日刊工業新聞2019年2月14日

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