糖尿病検査の時短を実現する人工酵素の正体

京大などが開発

 京都大学大学院農学研究科の橋本渉教授や摂南大学の村田幸作教授、協和メデックス(東京都中央区)らの研究グループは、短時間で単純な糖尿病検査につながる人工酵素を開発した。血糖値が上がると作られるたんぱく質「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」と直接反応し、測定時の手間が軽減できる。今後、実用的な臨床検査薬の開発を進め、早期の実用化を目指す。 

 開発した酵素「HbA1cダイレクトオキシダーゼ」は、協和メデックスが保有する酵素の構造を改変し作製した。元の酵素をX線結晶構造解析した結果、反応が起こるくぼみがHbA1cと結び付くには狭すぎることがわかった。そこで、くぼみの入り口を形成するアミノ酸を、より小さなアミノ酸に置き換え入り口を拡張した。

 さらにアミノ酸の改変を続けて計10個を置き換えると、HbA1cと直接反応できる酵素が完成した。高速液体クロマトグラフィー測定法との相関で測定機能も確認した。

 従来の酵素では事前にHbA1cの分解処理が必要で、段階を踏まずに測定できる方法が求められている。

                    

日刊工業新聞2019年1月31日

  

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