大人用おむつの廃棄リサイクルは“地域再生”にも役立つ

 ユニ・チャームは、廃棄後の紙おむつから再生したパルプを使った紙製品を2020年にも発売する。実証事業を通して再生技術を確認した。使用済み紙おむつから紙おむつやティッシュペーパーなどへの資源循環を実現する。焼却しか処分方法がなかった紙おむつのリサイクルを可能にし、自治体の処理負担を軽減する。

 ユニ・チャームは15年、使用済み紙おむつのパルプをオゾン殺菌し、再生する技術を開発した。鹿児島県志布志市で、家庭から出る紙おむつを回収して再生パルプを製造する実証事業に取り組み、実用化できることを確認した。

 水分を吸い取る高分子吸収体(SAP)も専用装置で紙おむつと分離できる。SAPは水分を含んで膨張しているが、クエン酸などを与えて水分を抜き、元の大きさに戻して再利用できるようにした。

 再生パルプとSAPは紙おむつの原料に再生できる。再生パルプを原料にティッシュペーパーや用紙を生産できることも確認した。新品パルプは森林資源から製造するが、ユニ・チャームの技術を使うと使用済み紙おむつから紙製品をつくれる。

 高齢化社会に入って大人用紙おむつの廃棄が増えている。ユニ・チャームは技術を自治体や地域のリサイクル業者に提案する。自治体などは再生パルプをユニ・チャームなどへ販売ができるので、紙おむつ処理の負担軽減だけでなく収入も得られる。

日刊工業新聞2018年12月28日

江原 央樹

江原 央樹
01月20日
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 地域における再生可能エネルギー導入や効率的利用を検討する際に、地域の困りごとや課題の解決にエネルギーを有効活用する視点が必要になるが、高齢化社会における大人用おむつの廃棄は非常に先進的かつ今後各地で対応が必要になる地域課題テーマである。今回の記事のようにリサイクルは非常に有効な解決策であるが、あるメーカーでは、エネルギーを使いおむつを焼却するのではなく、ペレット化しバイオマスボイラーなどに利用できる紙おむつ燃料化装置を開発しており、各地域の自治体や廃棄物処理事業者に導入が始まっている。このようなリサイクル+エネルギー転換の両面の考え方により、様々な廃棄物が有効利用され、温暖化対策や衛生対策が図られることが今後も重要であろう。

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