建設費は相応を負担、住友グループ首脳が示した大阪万博への思い

親睦団体「白水会」が支援で一致

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関西経済連合会の松本正義会長
 住友グループの親睦団体「白水会」は、大阪開催が決まった2025年国際博覧会(万博)を支援することで一致した。複数の首脳が明らかにした。開催に当たり、会場建設費約1250億円のうち経済界が負担する400億円強が焦点となっているが、白水会が相応の負担を決めたことで、経団連の会員企業などの判断にも影響を与えそうだ。

 首脳の一人は「住友グループ結束して協力することで皆さん一致した。私どもにとって大阪は非常に大切。難色示した会社はない」と明かし、別の首脳も「大阪出身の企業として成功してほしいし、建設費の負担についても相応の支援をしたい」と述べた。

 民間負担分をめぐっては関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が白水会に協力を要請しており、各社が応えた格好だ。

 白水会では住友グループの施設運営方針などを含めた総合的な検討を進めるための事務局を設置しており、万博関連の調整も始める方向。受注分担額や規模感についても今後詰める。「住友グループとしてのパビリオン設置も検討する」(首脳)とみられる。

 万博開催決定を受け、地方自治体や経済界などで設置する実行組織「2025年日本国際博覧会協会」の会長には経団連の中西宏明会長が就任することが決まっている。中西会長は「経済界を挙げて全力で取り組む」と意欲を示している。

日刊工業新聞2019年1月7日


関西の底力が試される


 2025年国際博覧会(万博)の大阪・関西開催が決まった。6月以降、自然災害が続いた関西に明るい話題をもたらしてくれた。政府と大阪府・市、関西財界、さらに各国で支持要請の活動に関わった関係者に敬意を表したい。万博は20年東京五輪・パラリンピック後の大規模な国際イベント。大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。誰もが輝ける社会をどう提案できるか。大阪・関西の底力が試される。

 日本を会場にした大規模な万博の開催は、05年の「愛・地球博」(愛知県)以来20年ぶり、日本初開催だった1970年の「大阪万博」(大阪府)以来55年ぶりとなる。大阪開催は2度目だ。政府の試算によると、25年万博の日本経済への効果は約2兆円。これとは別に、会場となる大阪市此花区の埋め立て地「夢洲(ゆめしま)」への交通インフラ整備、万博を見込んだ再開発の加速などの波及効果が見込まれる。

 関西の訪日外国人旅行者数は東京と肩を並べ、万博開催決定を契機にさらなる「インバウンド消費」の増加も期待される。

 関西はかつて、大手電機メーカーの経営不振などを背景にサプライチェーンと地域経済が疲弊し、新たな柱となる産業分野を育成する途上にある。パナソニックや日本電産、京セラといった世界企業に続く、ベンチャーの創出も課題だ。

 25年万博は、日本が誇る最先端の技術やサービスを提案する場であると同時に、ベンチャーの新事業を試して成長を後押しする商機でもある。中小企業のモノづくり、試作支援など、関西が得意とする技術やサービスを示したい。

 国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献も欠かせない。SDGsは世界に共通する課題の解決に向けた17の目標。関西は全国に先駆け、SDGsを進める産学官組織を17年12月に設立。大企業にとどまらず中堅・中小も含め、事業を進める視点からSDGsを捉え「日本型SDGs」の確立を目指している。万博は取り組みの成果を世界に報告する、絶好の機会にもなりそうだ。

日刊工業新聞2018年11月27日

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