導電性4倍のタッチパネル向け有機透明材、ITOの代替狙う

東京都市大が実現

 東京都市大学工学部の藤間卓也准教授らの研究チームは、タッチパネルやテレビ画面などに活用できる新しい有機透明導電材料を開発した。多孔質層を持つ「HNLガラス」に導電性樹脂のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を結合させた。絶縁性の助剤を使わないため、同じ光透過率のときの導電性を従来技術の3―4倍にした。高価で生成過程が複雑な酸化インジウムスズ(ITO)の代替として実用化を目指す。

 表面にナノ多孔質層を有するHNLガラスの構造を利用し、直接PEDOTを成膜した。従来は、剥がれやすいPEDOTとガラスの接合強度を高めるため、絶縁性の有機材料ポリスチレンスルホン酸(PSS)を用いており、導電性が低下していた。

 現在タッチパネルや液晶テレビの材料として主流のITOは、構成元素のインジウムが希少金属のため高価。さらにITOの成膜には真空装置が必要で、製造コストも課題となる。

 有機材料は原料が安価で、真空装置を使わず容易に化学合成できる。今後は成膜技術の改良、性能評価を進めて実用化を図る。同研究チームが2014年に開発したHNLは、超親水性、防曇性、防汚性、低反射性などの特徴があり、レンズやミラーなどさまざまな用途への活用も期待される。
従来は絶縁性のPSSを使っていたため導電性を下げていた

新しい成膜技術を使ったHNLガラスのイメージ

日刊工業新聞2018年12月27日

  

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