米戦闘機の大量購入は“トランプのお土産”になるの?

TAG交渉は別物

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米海軍の強襲揚陸艦「エセックス」から発進する米最新鋭ステルス戦闘機F35(9月、中東周辺海域=米海軍提供)
 年明けに日米物品貿易協定(TAG)交渉開始が予定される中、戦闘機などの大量購入は米トランプ政権に対するアピール材料の一つになる。安倍晋三首相は首脳会談などで防衛装備品の購入実績を強調し、トランプ大統領との良好な関係構築につなげてきた。ただ、米国が真に望むのは自動車や農産品など一般向け製品の貿易不均衡の是正だ。「アピール効果は限定的」と見る向きもある。

 日本が米国産戦闘機の追加取得を決めたこともあり、足元で日米間の雰囲気は悪くない。米通商代表部(USTR)が19年3月まで中国との貿易交渉で忙殺される事情もあり、TAGは表向きは友好な“様子見モード”で始まりそうだ。

 とはいえ、防衛装備品はTAG交渉の対象外。「基本的には切り離して考えるべきだろう」と通商問題に明るい慶応義塾大学の渡辺頼純教授は指摘する。

 日米は18年9月の首脳会談で、過去の経済連携協定以上に日本の農産品市場を開放しないことで合意。このためUSTRは別の方法で貿易収支を改善すべく、対日自動車輸入の数量規制導入を迫ってくると見られる。

 既に米国はカナダとメキシコを相手に数量規制導入を勝ち取った。「日本は絶対にのんではいけない」と渡辺教授は警鐘を鳴らす。アピール材料は限られ、米国が“本気”になるにつれ厳しい交渉になると予想される。
(文=嶋田歩)

日刊工業新聞2018年12月27日

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